2009世界選手権 男子FS。

 エヴァン・ライサチェクの優勝。ショートに続いて、フリーでもライサチェクの演技は完璧でした。4回転ではなく最初に3Lz+3Tのコンビネーションを跳びましたが、これが完璧。その後のジャンプも美しく決め、徐々に盛り上がる会場とともに演技もどんどん上向きになっていきました。会場との一体感というのはこのことをいうのだと思うくらい。最後のスピンのときには立ち上がっているお客様もおられましたし、ライサチェク自身もすごくいい表情をしていました。演技は後半に入ってから、どんどん加速度を増していきました。演技が終わった瞬間に、感動が心の中に流れ込んできました。本当に素晴らしい演技を見せていただきました。
 そのあとにブライアン・ジュベールの演技がありました。4T、3A+3Tがものすごく綺麗に決まったので、これはまだまだわからないぞと思わせましたが、後半に入って少しづつ演技に疲れが見えたような気がしました。最後の最後2Aでのミス。それで心の中に張りつめていたものが切れてしまったようでした。頭をかかえたジュベール。結果は3位でした。すごく高いレベルのメダル争いだったので、最後まで気が抜けませんでした。
 織田信成さんはなんといっても4T+3Tのコンビネーションを完璧に決めました。4回転、4回転と今シーズンずっと口にされていたことを、世界選手権で実行できるということはものすごいことだと思います。しかもコンビネーション。これはものすごい武器になります。ただ、ザヤックルールにかかってしまったのはかなり悲しい。もったいないことですよね。スケーティングの美しさもジャンプの確かさもあるので、もっと上に行ってほしい選手なのですが、もうやきもきしてしまいます。
 小塚崇彦さんは細かくジャンプミスはありましたが、全体として確実な滑りでした。転倒せずに踏みとどまったジャンプがすごいと思います。そして、スケーティングは確実で綺麗です。男子はオリンピックの出場枠3枠を確保する順位をとることができ、ほっとしました。ぎりぎりでしたが、でも3枠とれたのだからすごいことです。来年は高橋選手も復帰されますし、日本選手の活躍がとても楽しみです。
 明日は女子のショートです。3人の活躍を期待しています。がんばれ〜!!