本の表紙裏と各ページに妖精の暗号がかかれているところが本として面白い工夫だなと思いました。さすがに全部訳してみなかったのですが、わりとすぐに解読できるようになっているので楽しめるのではないでしょうか。コンピュータもいまでは当たり前になっているし、ファンタジーの世界にもそれが取り入れられても当然と思うのですが、それでも新鮮な感じでした。アルテミスも犯罪者なので、いろいろ屈折していたりするのかなと想像していたのですが、意外に
まっすぐな男の子で母を思いやる姿など、犯罪者といっても共感が持てます。全3巻ということなので、この先アルテミスがどんなふうに財産を得るのか楽しみなところです。
アルテミス・ファウルシリーズはストーリーと記述に厚みがあり、よりリアルな世界が描かれているところが、魅力です。今回はアルテミスの頭脳と生意気なところばかりでなく、どちらかというと優しさとか根性のあるところが見えた気がします。魅力的なホリーも抜群の操縦テクニックを披露してスリルも満点です。父を救出するストーリーと地底世界でのクーデターの話が織り込まれていたのも、息をつかせない展開でした。首謀者は最初に明かされるのですが、それでも、どんどん悪くなる状況をどうやって打破するのか、ハラハラしてしまいました。次も楽しみです。前作の暗号を解くとこの巻のヒントが書いてあったようです。今回も
ケンタウロス語の暗号がついてます。
随分待ちました。3巻。巻末に4巻目が出版されるというお知らせがついていたので、待っていればもう1冊読めるはず。アルテミスの悪巧み(?)が徐々にわかっていくストーリーになっています。冒頭部分で取り返しの付かない失敗をしてしまうのですが、想像も付かない方法でそれを切り抜けたファウル。次に企んだ計画は途方もないもので、難攻不落の敵中からまんまと盗み出すだけではなくて、いろんなおまけも付けてやり仰せます。ラストまでファウルの企みがわからないので、はらはら。いかにも普通の日記がところどころで入ってくるのですが、それがどういうことなのかわかったときにはラストです。この作品ではファウルは随分、立派にご当主のお仕事をされている様子。焦りや子供っぽいところが微塵も感じられません。でも、少しづつ人間味というのか罪悪感というのか、考え方が変わってきているところが見られます。記憶を失ってしまった彼がどうやって記憶を取り戻すのか、そして彼がどんな人生を選ぶのか、次の作品を待ちます。今回もはみだし暗号は健在。
アルテミス・ファウルシリーズの最新作。3部作の予定でしたが、4巻だけでなく5巻ももう発刊されているとのこと、今後の展開が楽しみです。映画化も進んでいるようですし、楽しみです。今回は
オパール・コボイによる反撃が描かれています。
オパールによる策略もかなり練り上げてある作戦なので、アルテミスたちが窮地に陥る場面も。記憶を失ったアルテミスやバトラーが過去の記憶を取り戻し、
オパールたちに反撃するところからの展開はスピーディで面白いです。もちろんホリーとマルチもすっかり定番メンバーです。地底を下っていくジェットコースターのようなスピード感や、妖精界の驚くようなテクノロジー、そしてなんといってもアルテミスの機転が面白い。そして、ラストにはホリーから新たな展開が語られます。まだまだ続くこの仲間たちならどんな難題でも軽くこなしてしまいそうです。
イギリスでは6作目まで発行しているようなのですが、日本語訳になりませんね(2016年現在)。映画化のお話も途切れてしまいましたし、このままこのシリーズは日本では4冊だけなのかな。