日本GP 決勝。

 素晴らしいレースでした。レース中のどの時間帯をとってもどきどきが冷めることなく、最後の最後まで素晴らしいレース。素晴らしい晴天の空の下で、歓喜に沸いて、胸の中にいろんなものを残していってくれました。まだ、レースは残っているのですが、今年のベストレースはたぶん日本GPになると思う。これ以上のレースはないと思う。それくらい感動したレースでした。本当にこのレースを生で観戦できた方が羨ましいです。
 予選はまさかのQ1でロズベルグ敗退…というかタイム計測なしということで、すっかり熱が冷めてしまった。でも、小林可夢偉のQ3進出、最後の最後でベッテルとバトンのほんの少しの差でのポール争いなど、とても興味深かったです。とりあえず、昨日の夜になったら小林くんのグリッドが7番手になっててびっくりだった。本気で走ろうとしたことが認められたらしい。そのほかの3人はカーナンバー順だとか。まさかカーナンバーがこんなところでグリッドを決めるとは!
 スタートはベッテルがきっちりキープ。かなりイン寄りにせめていったためにバトンの居場所がなくなったかなとは思ったけれど、お咎めなしでした。ハミルトンが2番手に浮上。小林くんはスタート出遅れて12番手に。ハミルトン飛ばす飛ばす。どんどんバトンとのギャップを開けていったから、調子いいのかと思いきや、いきなり9周目でピットイン。あっという間にタイヤを摩耗させてしまったらしい。バトンは序盤からタイヤを温存する作戦だったようで、結局、ハミルトンも抜き返していたし、今のピレリタイヤだとタイヤをうまく使っていけるバトンの方が戦闘力があるということになるのだと思う。19周目で2度目のピットイン。ベッテル余裕でトップキープかと思っていたのだが、アウトラップに意外に時間がかかったようで、バトンがピットアウトしたときにベッテルの前にでて、ここでバトントップに! この辺りしっかりペースキープしてきたバトンのすごいところ。
 25周目にSC。なんで?と思ったのだが、ハミルトンとマッサの接触の際に落ちたパーツがコースのど真ん中にあって危ないためということ。は、ハミルトン!またもや、レースを荒らしてる! リスタートでもバトンはトップを保って徐々に突き放していく。33周目にベッテルが早めに動いてピットイン。しかし、出たところが、ロズベルグスーティルがバトルしている後ろ! すっかりこの2台のペースにひっかかってしまっている間、バトンはそのまま走り続け、36周目にピットインしてトップをキープ。結局、ベッテルはこのひっかかりのためにアロンソにも抜かれることとなり、3位に。アロンソベッテルの最後までの攻防も面白かったし、バトンは途中からペースを落とした(ガス欠になりそうだったため)ため、上位3人が接近状態で数周。そして、バトンが日本GP初勝利。ベッテルがワールドチャンピオンに決定!
 なんだかバトンがチェッカー受けたときに涙でそうになってしまった。なんだろう。第二の母国と言ってくれていることもあって、今回とてもバトンは勝ちたかったのだろうし、そのチャンスもあって、それをきっちりもぎとってきた。最後の最後で燃料切れになりそうだったけれど、なんとかトップで飛び込んできた。ホンダでがんばってくれていたときからのことも考えてみて、あぁ、バトンがこの日本のためにがんばってくれたのかなぁって、なんとなくそう思えて、すごくうれしかった。ベッテルが絶対的に有利かと思っていたから、信じられない気持ちもあって。そして、ベッテルがチャンピオンを決めて、本当に本当にうれしそうなのにも感激。ゆっくりと廻ってくれた1周。横を通りぬけていくドライバーたちがそれぞれに祝福しているのがわかって、本当におめでとうと言いたくなった。今年はあまりにも強くて隙もなくて、本当にチャンピオンって感じだよ〜。バトンにベッテル、本当におめでとう。
 そして、ロズベルグ。だれもそんなに気にしていなかったかもしれないけど、23番グリッドから10位!! おめでとう!! なんだろう、今日のレースが心に残るものになったのはロズベルグが入賞したというのも大きい。予選後のコメントで10位に入るようにがんばると言っていたけれど、ほんとに1ポイントもぎ取れるとは思ってなかったので、正直驚いた。
 スタートして20番手には上がったものの、そのあとじわじわとオーバーテイク。もっとどかんを上に来てほしいと焦ってしまったが、プライムスタートだったので、長めのスティントにしてゆっくり上昇。少しずつでも順位があがっていくとうれしい。なかなか映像はこなかったけれど。SCが入ったのでオプションに履き替え。リリースのときに小林くんとサイドバイサイドになり、危険なリリースの処分が下らないかどきどきする。リスタート後はなかなかスーティルが抜けない。その間にベッテルがやってきたり、ウェーバーがやってきたり、ハミルトンまで絡んできてなんだかすごい状態だった。でも、いつもはこの順位走っているんだし、周回遅れでもなんでもないのだから、しっかりバトルしていてよかった。まぁ、ベッテルにはコースを譲ったのだと思うけれど。残り10周になって最後のピットストップ。出てきたところは13番手! 10番手までがんばれ!と後はタイム差とにらめっこ。あっという間に小林くんを先頭とする集団に追いつき、1台ずつオーバーテイク。やっとスーティルを抜いて10番手になったときに、ほっとしました。ペトロフはさすがに攻略できなかったけれど、でも10番手まで来たのはすごいことだ〜!! F1にも「推しカメラ」があったらいいのになぁ。ロズベルグオーバーテイクするシーンは見たかった! 自分だけでも喜びたかった。でも、何気にシューマッハロズベルグのポイント差が3ポイントになってる〜! がんばれ、チームメイトの上を行け!
 本当に大満足のレースでした!