ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品 その5。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品をなるべく原書出版順に紹介。
- 作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,Diana Wynne Jones,駒沢敏器
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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最初に読んだときは半分くらいのところで挫折したお話。時間と空間がまたがっているお話なので、どこがどうなってこうなっているのか途中でわからなくなってしまったのでした。そして、途中でがらりと変わる展開。え?!あの人があの人で、この人がこの人でそうなってあーなっちゃっているわけ!と驚くこと間違いなしです。そして、それに気が付いた途端にもう一度最初の方を確認したくなります。すべてを支配しているはずのレイナーたちが次々にバナスのいいなりになっちゃってるところは読んでいても小気味いいのだけど、最後の最後でまさかヤムがすべてを握っていたなんてと気が付くと唖然。現実と虚構が入り乱れて展開するのでストーリーとしてはわかりにくいですし、登場人物を押さえるのも大変な一冊ですが、とてもジョーンズさんらしい作品です。
- 作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,佐竹美保,Diana Wynne Jones,野口絵美
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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- 作者: ダイアナ・ウィン・ジョーンズ,原島文世
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/03/22
- メディア: 単行本
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一見ばかげたことをしているように見えるときほど意味があったり、偶然なんてなくって全部が必然で繋がっていたり、最後まで読んでみると意外に混乱していたことが嘘のようにすんなり通ってしまっています。このあたりがマジックの由縁。ちゃんと最後には驚きの展開も隠されていて、まさかその人物がそんなに大事な役回りだったのかと驚かされます。伏線なのか伏線じゃないのかわからないくらい、いろんな人の運命のベクトルが交差して、それがこのファンタジー大会に結集してしまいました。マリーとルパードはこのあと結婚することになったのかどうだか、ほんのり恋のはじまりかなと思うところで終わっているので、気になります。上巻までは読むのも大変なくらいの混乱ぶりでしたが、下巻を読むと面白かったと思える作品です。
- 作者: ダイアナ・ウィン・ジョーンズ,佐竹美保,田中薫子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2004/08/29
- メディア: 単行本
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面白かったです!ジョーンズワールドが十分に堪能できる作品で、しかも、ラストにこの陰謀の首謀者がわかるのですが、そんな繋がりになっていたのか…と思えるくらいいろんなところと繋がっています。ロディとニックとの関係も面白い。続編があったら、この2人の関係が発展したカタチになってくれるとうれしいです。クレストマンシーに繋がるような設定かなと思いました。クレストマンシーになってもおかしくないほどの魔力を持った人が出てきますが、彼は彼なりの生き方を見つけたみたいですね。世の中はほんといろんなことが繋がってできているものです。ほんの些細な出来事がこんなに大きな出来事までに発展してしまう。でも、それは誰が悪いというわけでもないのです。この世界に生きている限り、なにかしらの影響を与え続けているということなのですから。全部を見通して行動することはできないし、そんなのつまらない。先のわかからないストーリーだからこそ、そのときそのとき、自分の大切と思うことだけがんばるしかないってことですよね。ジョーンズ作品の登場人物たちは自分のためにがんばってます。世の中のためというよりは自分のためです。だからこそ、ほんとにがんばれるのだと思います。そして、最後にはハッピーエンドが待っています。