崖の国物語シリーズ。

 クウィントが主人公の2作です。これより前にクウィント主人公の作品が2作出ているので(id:nanayana:20070502)、合わせると4作になります。

崖の国物語〈8〉真冬の騎士 (ポプラ・ウイング・ブックス)

崖の国物語〈8〉真冬の騎士 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 崖の国物語8巻。主人公はクウィント。クウィントとマリスのお話は4巻だけだったので、もっと読みたいと思っていました。まだ1巻の時代に至るまでにいろいろな謎が残っていますし、伝説の空賊になるまでの部分がまだ空かされていないので、そのあたりが楽しみです。今回の8巻は飛行騎士団に入ってからの修行と渦巻く陰謀、長引く冬を溶かす旅がぎゅっと詰まっています。陰謀がいままでよりも血なまぐさく描かれていて、最後の冒険のところが短くってちょっと残念でしたが、ラストにはもう次の旅に出ているので次の巻が楽しみでなりません。マリスももっと活躍してくれたらいいな。空飛ぶ椅子に座って、大きなガラス張りの天井から雲を見て予測する。なんだかうきうきする講義は私も受けてみたい。

崖の国物語〈9〉大飛空船団の壊滅 (ポプラ・ウイング・ブックス)

崖の国物語〈9〉大飛空船団の壊滅 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 崖の国物語9巻。空賊の生活が生き生きと描かれていて、これぞ冒険というようなストーリー。1人ひとり乗組員の性格が細かく描かれていたり(ストーンパイロットの並々ならぬ技術に驚愕)、深森での数々の生物との対峙もこれぞ冒険。展開もかなり早くって飽きる間もなく、どんどん進んでいきます。私が好きなのは浮遊石の収穫シーン。慎重な中にも大胆さがあって、しかも収穫物は石! 興味が尽きません。今回のストーリーではクウィントの母と兄弟を殺したタルボット・スミールへの復讐が大きな流れになっていますが、それに別の人物も加わってなかなかミステリアスです。とんでもなく大きな商人連合の船があっけなく落ちたのにはびっくりでしたけど。崖の国シリーズの面白いところがぎゅっと詰まった内容になっているので、お勧めの一冊です。