ハンガリーGP決勝。

 最後の最後までいつだって油断はできないものです。レースはチェッカーフラッグを受けるまでわからないということをしみじみ感じたレースでした。
 マクラーレンは予選を見る限りかなり好調で、フェラーリの2台よりも勝っているようにも思えました。そして、今回はトヨタ、とくにグロックの調子が予選から良かったので期待してみていました。注目のスタートではマッサがマクラーレンの2台を抜いてトップに。この勝負強さはここ最近の中では一番だったのではないでしょうか。コバライネンは抜くとは思っていたのですが、ハミルトンに競り勝ったのはさすが。第1コーナーまでの距離が長いコースだとこういうスタートのバトルもあるんですね。ハミルトンの独走逃げ切りかと思われていたレースはこれでずっと面白くなりました。
 ハンガリーのコースは抜けないコースなので、このあとは膠着状態が続きました。そして、ピットストップはマッサが先に入って、次の周回でハミルトンが入りました。どうみてもハミルトンは燃料を残していそうな雰囲気だったため、最終のスティントでハミルトンが逆転するのではないかという予想をしていたのですが、なんと!ここでハミルトンのタイヤがパンク。かなりの距離を走ってピットに戻ったため、大きく後退することになりました。これでマッサにとっては楽な展開に。一方、ライコネンはずっとアロンソの後を走り続けていて、そんなにペースがあがりませんでしたが、最終スティントでアロンソの前に出てからはかなりのハイペースに。ファステストラップも刻みましたし、前を走っていたグロックを猛追。グロックも安定感のある走りでずっと上位をキープしていました。トヨタのマシンの速さが感じられましたし、グロックは前回のクラッシュの後だったので、ここで表彰台に上ってほしいという気持ちもありました。
 みんなが安全策を取って、最後のピットストップも早めに。順位を確定してしまおうというチームの心はわかるのですが、観客にとってはちょっと淋しい展開だったかな。みんながクルージングモードというのはちょっと。しかし、残り3週。なんと!マッサがエンジントラブルでリタイヤ! ほんとここにきていきなりトラブルだなんて思ってもみませんでしたし、マッサにとってはかなり悔しかったことでしょう。ということで、なんとコバライネンが初優勝! F1で100人目のウィナーだそうです。祖国にもっとも近いサーキットでの優勝はひとしおだったかなと思います。いきなり転がり込んできた優勝でしたが、やっぱりほんとに最後まで何があるかわからないんですね。グロックが2位。今季のトヨタはやっぱり底力が違うなと思いました。グロックは前半はトゥルーリとの差も感じられましたが、ここ数戦でいい部分がぐっと出てきているので、これからの活躍が楽しみです。
 今回のレースではなぜかピットストップで火が出まくりました。消化器がフル稼働。どうしてなんでしょうね。暑かったからということでもなさそうだし。ホンダはバリチェロがこの火が付くというトラブルでかなりのロスをしました。バトンもバリチェロもあまり画面に映らなかったので、コメントできないです。コンストラクターズでウィリアムズに勝ってほしいというのが、今年の一番の願いです。ということで、F1は夏休み入り。フラストレーションが貯まるチームも歓喜に沸くチームも一休みして次のレースです。