オーストラリアGP決勝。
2008シーズン開幕。オーストラリアは今日も暑かったようで、39度だとか。ドライバーの体感温度はどれくらいでしょう。開幕戦だけあってまだ各チームも信頼性に疑問があるのか、かなりのチームがリタイヤになりました。最終的に完走したのは7台。SCが3回入るものすごく混乱したレースでした。
予選は今シーズンからやり方が変わったので、Q3は特に面白くなりました。キミ・ライコネンがQ1でマシンを止めてしまい、意外なスタート。Hondaの2台はQ1進出はなりませんでしたが、思っていたよりもずっと走れているので、上位2チームには追いつけないにしても、その下のチームとは互角に戦っていけるなという手応えがありました。Q3進出のボーダーライン上に7人くらいがひしめき合っている状況はこれからもしばらく続きそう。さて、どのチームが飛び出すのか。ポールはハミルトン。ハミルトンは今年も安定してます。
決勝はスタートから大混乱。ハミルトンはいいスタートだったものの、4位のマッサがはじかれてコース外に、その後ろの集団でも衝突があり、早々にSC導入。キミは15番手スタートだったものの、その混乱を上手く避けて、その時点で順位をぐっと上げて上位に食い込もうとしてました。佐藤琢磨さんも10番手くらいにアップ。Hondaはバリチェロは順位を上げたものの、バトンはリタイア。バトンが最初の周回でどうしてピットに戻らなかったんだろう。ピットが開いてなかったので戻れなかったのかな。早々にリタイアしたので意気消沈。
レース中はキミが国際映像に映ることが本当に多かった。過去最大といっていいくらいキミが映っていました。序盤はバリチェロをおいかけるキミの図。マシンとしてはフェラーリの方がいいとはわかっているんだけど、さすがにバリチェロは簡単には抜かせませんでした。かなり粘れたと思う。今年のHondaがいけるかもと思ったのはこの映像を見たから。フェラーリとバトルができるマシンなのだから、スピードはもうちょっと足りないにしても、上と戦えるということがわかりました。
クルサードとマッサの衝突によって2回目のSC導入。SC中になぜキミが給油しなかったのかわからない。順位をキープしたかったのかもしれないが、すぐに給油しなければならないのはわかっていたはず。このあたりのフェラーリの戦略がちょっと聞いてみたいところ。キミはコバライネンとの激しいデットヒートを続けていたところでのSC導入だったので、SC開けはバトルとしてのポイントでした。キミがコバライネンをインから抜いたと思ったのだけれど、突っ込みすぎだったのかコースアウト。そこで大きく順位を落としてしまいます。
残り10週ちょっとのところでコース上を走っているマシンが10台くらいになっていまい、完走さえすればポイントが入りそうな感じ。2ストップ作戦のクビサや中嶋といったところともう一回ストップしなければならないアロンソやバリチェロとの関係が面白そうだなぁと思っていたときに、トヨタのグロックが激しいクラッシュ。パーツもマシンもかなり飛んでいてグロックが大丈夫かなと心配になりました。ここでSC。不運なのは、バリチェロ。もう燃料がなかったんです。なので、ペナルティ覚悟で給油。コバライネンやアロンソは持ったみたいですが、ここの運はどうしようもないものがあります。キミとコバライネンが戦っている隙にアロンソが前に出たときは、さすがアロンソと思いました。あの瞬間を逃さなかったアロンソはさすが。マシンはまだまだだと思いますが、アロンソはさすがにアロンソだったです。
そのあともクビサ、ボーデ、キミがリタイアしました。キミは最後までいろんなバトルを繰り広げていましたが、コースアウトしたり、トラブルだったりいいところはありませんでした。最後にはエンジン音がおかしくなり、リタイヤになってしまいました。フェラーリは速いは速いと思いますが、信頼性には疑問が残ります。マッサもリタイアでしたし、序盤はちょっと苦しいのかな。レースは最後までアロンソとコバライネンの戦いもあって見所は多かったです。アロンソを抜いたコバライネンがその直後のコントロールライン上でどうしてあんなに速度が遅かったのか、これも疑問です。あまりにもアロンソにあっさり抜き返されてしまいました。
映像にはまったく映らなかったハミルトンが優勝。この混乱の中でもハミルトンは冷静なレース運びだったと思います。ニコ・ロズベルグが初表彰台。中嶋もポイント獲得。今回のレースは最後まで走れたものがポイント獲得できるという本当にサバイバルなレースでした。ニコは去年はハミルトンというスーパールーキーに圧されていましたが、やっぱりドライバーとして光るものがあると思います。これからが楽しみ。
Hondaはバリチェロが6位で完走しましたが、ピットレーンの赤信号無視で失格になってしまい、ポイント獲得なりませんでした。バリチェロについては、最後のSCの時期が不運としかいいようがなくて、あれさえなければもっと上にと言いたくなってしまうのですが、仕方ないですよね。でも、バリチェロの走りを見て、今年のHondaはいけそうと思いました。去年よりずっと走りとしてはいい感じです。上位とも戦えることもわかりましたし、ウィリアムズまでの中段グループとは渡り合っていけます。これから楽しみです。まずは予選のQ3まで進出というところを果たしてほしい。
スーパーアグリはテストなしだったということを考えるとレース中盤まで琢磨さんががんばっていたなと思います。スペアパーツもないなどチームとしては厳しいままなのかもしれませんが、去年よりも走っているということにすごさを感じます。スーパーアグリにはこれからも走り続けてほしい。
オーストラリアGPが終わったところでは、マクラーレンとフェラーリがやっぱり速い。でもフェラーリの信頼性に疑問。ついでBMW。そのあとの中段グループの差はごくわずかなので、コースによって戦略によって随分変わってきそう。という感想です。