白い巨塔。
「白い巨塔」は18話まで見終わりました。あと3話です。後半に入ってからは、財前教授の医療過誤を巡る裁判がストーリーの中心となってきました。前半は教授になりたいという一心で、ギラギラしていた財前助教授が、教授になってからはみんなから攻められっぱなしで、なんとなく心的圧迫の強いストーリーで、見ていても重苦しいです。財前教授としても、裁判になる前はほんと自分の判断にミスがないということを、自分の中でははっきりと確証を持っていたようにも思えるのですが、里見教授との様々なやり取りの後では、何か自分の中でミスであるという疑いが出てきて、それが彼を重苦しくさせているようです。医療過誤については、詳しくわからないので、どうこう言う立場ではありませんが、どちらかというと財前教授側からみてしまっている私にとっては、苦しいー、痛いーの連続です。
里見助教授が裁判に証人として出廷したことに対しては、私には信じられません。大きな組織に入ってしまって、こうやって仕事をしている以上、何かしら、自分の想いとは違う指示が上司から出るときもあるし、常に「完璧」を求めることは不可能に近いと思えます。私が里見助教授と同じ立場だとしたら、決して組織の中での自分の立場を危うくすることはないでしょう。そして、それに対して疑問は持ち続けても、決して表面化しないと思います。たぶん、あの医局の中では佃講師に近い行動だと思います。見ていて歯痒いのは、柳原医局員ですね。裁判の直接の被告は財前教授なのですが、どうして柳原は自分で事を起こそうとしないのか、担当医は彼である以上、彼の責任もあると思うのです。すべてを財前教授の指示により動いていたという、あまり医師らしくない理由によって片付けようとしているのなら、彼こそもっとなんとなならないのかという気持ちになってたまりません。それに、他の助教授や講師も柳原に対してあまりにも冷たいのじゃないかなーと思います。医局というチームなのだったら、もっとチームらしく協力してできないのかな。まぁ、そういうとこ、教授というビックポジションに立て付けないということもあるのだろうけど。
財前教授は医師としてみんなに未来を嘱望されていることだけは、ひしひしと感じます。本当に憎んでいるのは原告の佐々木さんだけでしょう。あとの里見にしても東(元)教授にしても、すごく財前に期待するところがあるのだと思う。ちゃんと認めているところがある。だからこそ、財前にちゃんと見てほしい、医師として強くなってほしいという気持ちがあるのかも。財前は自分のミスを認めないし、きっと認めたら彼の信念が変わってしまうだろうけど、昇れば昇るほどタイトになっていく白の塔で、本当に強いのは自分の弱さも知っている人だと思います。下も見れないような臆病さは、本当に命取りになるでしょう。