◆なぜ、女神は微笑まないのか。

ドイツGP決勝。

 くっきりと明暗がでるレースがあるものです。どちらかがミスをすれば、どちらかが、順位をぐっと上げることもある、それがはっきりですぎたレースでした。そして、あまりにショックが大きくて、まだ、前向きにはなれない。
 予選も、あの雨が降り出した瞬間も、それまでは全部ベッテルのレースでした。一つのミスですべてが終わってしまい、そのSC導入で、ライバルが14位から優勝というとんでもないことが起きた。これがF1というレースの怖いところだなと思っていました。
 ドイツGPは当分開催される予定がなく、最後の母国GPとして、万全の体制で臨んでいたベッテル。マシンの調子も体調も悪く、予選14位スタートのハミルトン。その結果がこれだとは、本当に予想もできないことでした。
 そして、チャンピオンシップも大きく変わってしまった。ハミルトンの大量リードで、追いかける立場になったベッテル。ハミルトンはミスはあっても、ポイントを落とさないところに強さがあるし、チャンピオンになるためにはそれが絶対条件といっても過言ではないと思っている。
 ここで、終わってほしくない。ドイツの女神はベッテルに試練を課したけれど、きっと最後は微笑むと信じている。だから、また、いいレースを!