◆うなじ。

舟を編む 通常版 [DVD]

　周りの方の評判のよかった「舟を編む」をようやく見ました。原作は本屋大賞をとる前に読んでいましたが、映像でみると私が想像していたよりも、とても温かみのある辞書作りだと思いました。
　辞書をつくるためには本当に長い時間がかかります。言葉を集め、用例を集め、それを分類していく。言葉を言葉で説明することって、すごく難しい。共通したビジョンがないところを、描いていくわけですし、しかも最少文字で留めなければならない。地道な作業が本当に愛するべき時間として描かれていました。
　そしてなによりも宮崎あおいさんの存在感がすごい。台所でのうなじの色っぽさも、包丁を持つ手元も、凛とした中に優しさがにじみ出ていて、本当に好きになってしまいそうでした。
　今は辞書も電子データ上でちらっとみるだけになってしまいましたが、紙のさらっとしていながら、『指に吸い付く感』ってたしかにあるなぁと思います。いろんなところのプロが集まってできている辞書。辞書は辞書として出版物としてこれからも残っていってほしいと思いました。
　深夜に見始めたのですが、眠気を感じずに最後まで見終われたのは、とてもいい作品だったからだと思います。