碧血剣。
- 出版社/メーカー: マクザム
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: DVD
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主人公の袁承志は最初に登場したときから既にかなりの腕前で、しかも序盤に無敵とも言える技を習得してしまっていたため、向かうところ敵なし。誰も適わないというくらいの強さを誇っていました。しかも、義侠心に厚く、態度は温厚で人望も厚いという本当に非の打ち所のないキャラクターです。こんな主人公に惚れないわけがない!ということで、さっすが主人公、出てくる美女のほとんどを虜にしてしまいました。しかし、彼は女性なら誰にでも優しいのか優柔不断なのか、誰か好きかということを明確にはしないのです。どちらかというと大義があるので、そのことは後回しというような感じです。そんな彼も最後には態度を決めたわけなのですが、どうして、どうして青青なんですかぁ。阿九じゃないんですか!
数あるカップリングの中で一番押していたのは袁承志と阿九。これまで見た武侠ドラマの中でももっともどきどきするカップルだったと思います。『碧血剣』全体を通しても、何が一番気になったかというとこの2人の恋の行方が一番気になることだったんです。なんといっても設定から悲恋。主人公の父の敵は、彼女の父! 一番憎んでいた相手は好きになった女性の父だった。そして、好きになった彼は自分の父の命を狙っていた。この設定でどきどきしないわけないですよ。理性的には一番好きになってはいけない相手なんだけど、心が惹かれていく2人。そして、お互いの素性を知った後でもその想いを断ち切ることができない。忘れようとすればするほどに惹かれていく。
阿九は明の皇帝の娘なのに、普通に下界を渡り歩いていたりして、しかも腕前が抜群で、聡明で優しく、とんでもない美貌だなんて、完璧すぎ。お姫様風を吹かせてわがままを言うシーンもあるんですけど、それも袁承志のため。父に腕を切られても恨んでないというその発言には涙がでます。だから、阿九と袁承志で幸せになってほしかったんです。恨みもなにもかも忘れて、愛に生きてほしかった。周りがなんと言おうとも2人にはその愛を貫いてほしかったんです。それくらいのカップルだったと思います。
しかし、袁承志は真面目で朴念仁でした。青青を一生守るという約束を果たすことに決めたのです。袁承志の青青に対する気持ちはどうみても妹に対する気持ちだったと思っていたので、青青と外国に新天地を求めるというラストは衝撃でしかなかったです。いままで戦ってきて残ったのは空しさだけという気がするので、ハッピーエンドだとは思えませんでした。出家した阿九…、幸せになってほしい。