薔薇のない花屋 最終回。

 あったかいドラマだったんだと最終回になってから気が付きました。ちょっと私が求めていたものとは違ってました。初回の印象が強すぎたので、ホームドラマではなくて、どちらかというと衝撃のあるドラマかと思っていたのです。毎回、謎が深まって、最後にぱぁっと解けるようなそんな感じを想像していました。でも、英治には裏も表もなくって、しあわせになるのが怖くって、しあわせに背を向けていた、そんな素直な人でした。何かを信じること。きっと、それがしあわせの鍵なのだと思う。しあわせになるためには誰かを信じて自分をあずけなくっちゃいけないときがある。そして、次に幸せを掴みにいかなきゃならないときがある。そこで一歩踏み出せないまま止まっていたら、幸せは逃げてしまうんだろう。
 涙ってうれしいときにもでるんだね。
 泣くことを忘れてしまったのは、悲しさに耐えていたからではなくって、しあわせに背を向けていたから。それを感じることがないように心を閉ざしていたから。心が緩いと涙はいろんなときに溢れてくる。自分の感情が揺さぶられたときに、零す一滴。きっと、それも大切なしあわせの欠片なのかもしれない。