中国GP決勝。

 中国は台風の影響が出そうだという前情報があったので、富士の時のようにバタバタしたレースになるのかと心配していました。レースが始まってみると、雨もさほどひどくはなく、レースとしてもウェットとドライとの見極めが必要な作戦的に面白いレースでした。たしかに随所に雨という要素が大きく出てきて、順位もめまぐるしく変化しましたが、見ごたえのあるレース展開だったと思います。
 結果から先に書いてしまえば、ハミルトンがリタイヤ、キミ・ライコネンが優勝、アロンソが2位ということで、次のブラジル戦に優勝争いは持ち越しになりました。しかも、3人のポイント差も微妙な距離感なので、すごく面白くなりました。ハミルトンが優勝すれば、それで決定ですが、キミかアロソンが優勝の場合は、ハミルトンの順位が関係してきます。すごくどきどきするような最終戦になりそうですね。
 序盤は雨が降り出したのでスタンダードウェットでの走行。ハミルトンが逃げ、キミが追う展開でした。ファーストラップではマッサとアロンソとの戦いが見ごたえがありました。2ストップ作戦だった上位のチームは最初のピットストップの時点で、そのままスタンダードウェットで走り続けるという決断を下しました。しかし、しばらくするとドライコンディションに向かい、ドライタイヤを履いたマシンがどんどん最速ラップを刻んでいきました。ハミルトンとキミの距離も相当に開いていたのですが、あっという間にぐっと縮まって接近戦に。ハミルトンのリアタイヤがものすごく辛い状況にあったことは画面を見ていてもわかるほどでした。キミがハミルトンがラインが膨らんだところを捕らえて、オーバーテイク。とうとうトップに立ちました。
 ハミルトンがそこで踏ん張るかなぁと思っていたのですが、リアの痛みは画面で見ていてもものすごい状況で、なんとかピットに向かったものの、ピットレーンの砂利のところに入り込んでしまい、リタイヤとなりました。解説の方も話されていましたが、ハミルトンがどうしてそんなリアタイヤになってしまう前にピットに入らなかったのかが不思議です。リタイヤすることがハミルトンにとっては一番の痛手だったのに。マシンを降りてからのハミルトンは落胆しているように見えましたが、次に画面に映ったときにはいつもの朗らかなハミルトンでした。キミがそのままいいペースで走って優勝。マッサはタイヤの履き替えがあったので順位を落として、アロンソが2位でした。予選が終わったあとのアロンソは相当がストレスがたまっていたらしく、かなりイライラしていたとのこと。表彰台ではかなり晴れやかでしたが、チームとの確執は大きくなっているようにも思いました。久々にキミも表彰台ではうれしそうでした。余談ですが、上海ではキミは女性ファンにかなりの人気だとか。フィンランド国旗もあちこちで見られました。
 さて、ホンダはバトンが5位入賞! ウェットコンディションだと他のチームと戦えますね。スタート直後は相当にマシンが重かったのか、かなり動きがよくなくて、どんどん順位を落としてしまいました。コバライネンもマシンがいまいちだったのですが、そのコバライネンを越せないという状況でどんどん後続のマシンに抜かれてしまい、15番手まで後退しました。でも、ドライコンディションに向かうにつれてバトンのラップがものすごく速くなりました。燃料が軽かったというのもあるのですが、最速を刻んでいくバトンを見るのは、本当に久しぶりで、どきどきしてしまいました。ベッテルオーバーテイクしたシーンはあのドライラインがひとつしかない状況だったので、やった!と歓声を上げたくなってしまいました。バトンはこのコースが得意ということなので、この後は安心してみていられるレースになりました。ピットインしたので5位となりましたが、それでも入賞です。久々にポイント獲得しました! そして、やっとチームのポイントがスーパーアグリの上になりました。長かった…。
 ベッテルに負けたのがちょっと悔しいんですけど、ベッテルはあの状況の中で1ストップ作戦を成功させたチームもすごいと思います。そして、チェッカーを受けてからのあの歓喜の声を聞いてしまうと、もう何もいうことはないです。ベッテルは富士でのレースは最悪だったと思いますが、ここで最高のレースになったことだと思います。それにかなり才能もありそうなので、これからが楽しみなドライバーです。トロロッソはこのごろすごいですよね。
 とにかく、次のブラジルは見るのが楽しみなレースになりそうです。チャンピオンシップが3つ巴になって、そこにマッサがどう絡むのか楽しみでなりません。ブラジルは深夜にレースが放送されるので、生で見るのは辛いのですが、なんとかしてでも見たい気持ちになってきました。今年最後のレース、楽しみにしています。