下妻物語。

下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]

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 ほんと、いまさらって感じです(笑)中島監督の作品はクリスマスのSMAPの特別ドラマしかみたことがなかったのですが、すごく好きな色合いと展開で描かれていました。あの色使いがとても好き。ノスタルジックなオレンジがかった色合いに調整されているのでしょうけれど、こうやってみると空の青も緑もとても新鮮に見えるから不思議。初めてみた風景なのに懐かしくて、温かい雰囲気になっています。「下妻物語」は撮影中から雑誌で紹介されていたのを見て、気にはなっていたのですが、ロリータという先入観が先走っていろいろ思っていたものとは、まったく違っていて、すごくすんなりといろんなものが受け入れられる作品でした。主人公の桃子は自己中だと言われてますが、わたしも桃子と同じ思考回路を持っています。『結局は誰がなんといおうと自分が楽しければいい。』 そうなんです。結局、そこにしか行き着かないと思ってます。冷たいようだけどね。そんな桃子と正反対にすごくまっすぐなところがあるイチゴ。レディースなんだけどすごく素直でかわいくて、ほんと女の子らしいです。こんなに純情な女の子は今じゃ珍しいってくらいにかわいい。二人は正反対に見えるのに、少しづつ分け合うものが増えて、少しづつ心を開いてく。ラストの笑顔がすごくまぶしいです。『友情』って言葉で言ってしまうとすごく堅苦しくて面倒くさくて、敬遠しちゃいそうになるけど、こんなふうに楽しいテンポで描かれるとすんなり心に入ってきちゃう。私の周りの現実では絶対に起こりえないことばっかりなんだけど、その非日常さ加減が逆に受け入れやすい要素になっているのかもしれないな。すごく面白くてお薦めできる作品です。
 深田恭子さんのロリータはかわいいですねー。やっぱりかわいい人がかわいいものを着ているとこんなにかわいいんだって思えちゃう。下妻物語を撮影しているとき(?)くらいは私もロリータに興味深々だったので、BABYのお洋服もなつかしーって思いつつみてました。代官山の本店にも行ったことがあるのですが、劇中で出てくる店舗よりもずっと小さいかな。でも、夢のぎゅーっと詰まった空間です。赤のチェックのスカラップジャンスカとか、やっぱりかわいいし、カラミジャンスカも定番だけどかわいいですよね。私も高校生くらいで目覚めたかった(似合わないだろうけどさー)。 桃子が劇中でお洋服について語っている言葉はいろんな女の子と同じ心だと思います。『お洋服に似合う自分になろう』と思う気持ち。そんなものなんですよ。似合うお洋服を着るんじゃなくて、お洋服に似合う自分を創るの。『お洋服に試されてる』、そうなんです。かわいいお洋服を見つけたら、それに似合い自分になるために努力しているの。桃子みたいにほんとにポリシー貫いているわけじゃないから、私は邪道すぎるけど、行動を女の子っぽくしてみるとか礼儀正しくするとか、みんながんばっているのです。それくらい大切なものなんですよ、お洋服って。女の子の全部を変えちゃうくらい心が宿っているものなんです。