◆母国マジック。

イギリスGP

 今回ハミルトンへの声援があまりに大きくて、やっぱり母国グランプリって特別なものなんだなぁって思いました。予選にしてもレースにしても、ハミルトンが活躍しているときは、どのコーナーでも声援が大きくて、レース後の表彰台のそばにもたくさん人が押し寄せていて、この人の声援のパワーがハミルトンの優勝に結びつけたのかもと思わせるほどでした。なんせ、天候がすべてハミルトンにどんぴしゃでしたから。
 スタート直後にマッサとボッタスの2台に抜かれて、おい、おい、おい…と思ったのですが、今回けりだしがメルセデスの2台とも悪かったみたいでした。いきなりの4番手スタート。SCが入ったけれど、そのあともこう着状態。DRSトレインで4台が1秒以内という状態が続きました。最初に動いたのはハミルトン。アンダーカット成功でトップに躍り出ます。そして、マッサに前をふさがれて、ロズベルグだけ4位ということで、アンダーカットできずにいました。この間の数十周がかなりイライラしました。なんせ、最悪のシナリオですから。ハミルトンは前が開けて、5秒以上のマージンを稼いだわけですし、ロズベルグにはトップへの道がふさがれたといっても過言ではありません。
 ここからが慌ただしかった。雨が降り始め、タイヤが滑って行く中で、ロズベルグはボッタス、マッサと2台をあっさりかわしていきます。このあたり、なぜ、あの状況になったときに、それまでどうしても抜けなかったものが、あっさり抜けるようになったのかわからないんですけど、アンダーステアとかそういう問題なんですかねぇ? そして、ハミルトンよりもかなり速いペースだったので、あと数週でトップに追いつけるか!という勢いでした。ハミルトンが慎重に走っていたこともあって、ロズベルグには絶好の機会だったわけです。でも、そのタイミングで雨が強くなったので、ハミルトンはウェットタイヤに履き替え、ロズベルグはタイミングが遅くなってしまって、10秒以上の差ができました。ここで順位は確定ました。あれよあれよという間に、ベッテルが3番手になっていたりして、結局、いつもの表彰台メンバーになっていたんですけど、ベッテルの入るタイミングがよかった、そして、ウィリアムズの決断がちょっと遅かったってことなんですかね。
 今回はハミルトンにかなりの運があったと思いますし、これが母国グランプリの力だと思いました。フィニッシュのときには虹までかかったし! ポイントを詰めることはできませんでしたが、最小限のダメージにとどめられたのでよかったです。ここで来週はドイツGPだったら、ロズベルグ母国グランプリだと楽しみにできるのですが、いかんせん、ドイツGPは中止なので、間が3週間も開いてしまいます。なんとか、くらえついて離さないで最後まで勝負してほしいと思っています。アロンソがポイントを獲得。ここまでリタイヤ多いレースだと走りきったことだけで、すごいと思います。ホンダもがんばってほしいな。