SHOCK観劇前編。 

 今年も帝国劇場に行ってきました! 去年は体調を崩していましたが、今年も崩していました(笑) ただ熱は上がっていなかったので、細部にこだわってみることができたように思います。去年とストーリーが変わっていなかったのもあって、ストーリーだけを必死に追いかけていた去年よりは、セリフの言葉やダンスのフリの一つひとつが見れたように思います。さて、今年も記憶が薄れないうちにレポートしておきます。ストーリーについてはみなさま十分にご存じのことと思いますので、割愛します。
 今年も帝国劇場。華やかなお嬢様方がたくさんいらしてます。去年お写真をとらずに後悔した薔薇の花のアーチを撮ろう!と意気込んでいたのだけど、今年はなかった(泣) 折角用意してきたのに。落ち込みながらもなんとかパンフレットだけ買おうと思っていると、やっぱり1階はすごい列。これも去年の教訓で2階の方が待たなくて済むことを知ったので、2階にいきました。2階はお写真も販売しているのですが、レジが多いので意外に早いのですよね。お写真は待っている間にちらっとみました。スタッフの方が「光一クン」と言っている「クン」付けがなんだか違和感。だってスタッフの方がとてもお若かったのだもの。ポスターは今年も購買意欲を増すようなお写真でしたが、貼るところがないという理由で断念。並んでいるときに私の横にすごーく大きな壁?のようなものがあって、それがキラキラステンドグラス加工の紙で出来ていたのですが、これはなんの壁なんだろう? かなり凝視してしまいました。というわけで恙なくパンフレットも購入。今年もお席は2階の中央付近でした。この席は舞台全体が見えるので見やすいとは思います。それに、いいこともあるしね(笑) 席について開演を待っていると、開演間際に中学生くらいのお嬢様とそのお父様らしい方がお隣に座られました。きっとお嬢さんが行きたくってお父さんが着いてきたのだと思いますが、なんだか微笑ましいです。開演前の映し出されている映像は少しゆらゆら揺れているので、いつもそれを凝視してしまいます。さて、開演。
 今年はオーケストラピットの指揮者が光一さんだとわかっているので、入ってきたときから背中を凝視。今年もそのお衣装がきらびやかです。他の演者さんたちの表情も見ることができました。実際に音を出してはいないと思うのですが、本当にそれらしーく見せていてさすが演技をされている方は違いますね。くるりと振り向いたコウイチの笑顔に釣られて笑顔。こうやってSHOCKを今年も見れていることがやっぱりすごくうれしい。華やかなダンスに彩られて幕開けです。サントラが発売されたのでどの音楽もとてもなじみ深くなりました。そして、オフブロードウェイのショー。内容は去年と同じ感じでしたが、リョウが出てきたときに「うわっ、亮くんだ!」と思ったのは去年との違い。リョウが出ているシーンは割とリョウをじっくり見ていたのも去年との違いです。なので、たまにコウイチを見るのを忘れているシーンがあります(泣) リョウのピアノソロのシーンはもちろんリョウが弾いているんですよね!ね!なんだかそれだけでさえも「亮くんのピアノだ」と感動するくらいに、錦戸亮ファンになってしまってました。今年こそ金色マントのマジックのタネのヒントを掴もうと思っていたけど、全然わかりませんでした。やっぱり持ち替えているときにポイントがあるんだよね。舞台奥に行くときとかね。
 そのままバックステージシーン。シャンペンをひっぱってるコウイチ、かわいい。そしてこのときのリョウの「リカ、見ててくれた?」のセリフがめちゃくちゃかわいい。リョウ、かわいいよ。うん、かわいい。MAのアキヤマを除く3人のキャラが去年よりもはっきり見えました。明確にキャラ付けできていたので、わかりやすかったです。そして屋上シーン。ここで歌う曲がとても好き。ここからは去年と多少異なっていて、ストーリー的にわかりやすくなってました。リカがネックレスを渡したりして、ネックレスの意味が去年よりわかりやすいし、なによりもリョウとコウイチが並んで話すシーンがいい感じなの。仲間という意識がとても強いのだということがわかるし、とても自然に伏線。そして次のシーンへも明日はオフなのでみんなで遊びにいくという流れを作ってます。もちろん、シャンパン代に「ファンタスティック!」と大げさに驚くアキヤマのセリフは今年も健在。そして街のシーン。去年はコミカルだったこのシーンは大幅に変更されていて、どちらかというとすでにカンパニーでの亀裂を思わせるような雰囲気でした。デート中の女性を奪って踊っちゃったり、リョウとリカで踊っているのをさりげなーく、奪ってみせるコウイチ。そしてムキになってその2人の間に割って入るリョウ。だけど、コウイチとこのシーンで一番踊っているのは、カップルの女性だったと思います。他人の彼女、うばって大丈夫?(笑) ケンカっぽいシーンもあるのですが、私にはこのシーンが少し謎。ケンカしているというよりは、ちょっとじゃれてる感じかな。ダウンタウンっぽい雰囲気が感じられました。そしてナオキもかるーく登場。これも伏線。カンパニーに来たビックチャンス。リョウが一番これに飛びついて「自分へのチャンスだ」と意気込む。もちろん、リョウもカンパニーとしての成功をちゃんと考えていて、その上で自分を表現できる場として最高のところと考えていたんだと思うけど、ちょっと意気込み過ぎていて怖い印象がこのときから感じられました。
 オンブロードウェイのショー。アフリカのショーはコウイチがなんだかかわいかった。ワイルド、セクシーというよりかわいかった。なぜ? リョウのタップはいつみても好きなシーン。そしてコウイチのタップも情熱的。このシーンはわかりやすいようにリョウが後ろの方で驚いているんですね。知らなかった。去年も登場していたのかな。私は気がつかなかったんだけど。タップ靴の履き替えに萌え〜(笑) 王様きどりで靴を履き替えさせているのが、とても似合っていて素敵です。そして舞台裏シーン。
 このシーンのセリフはとても心に響く。コウイチが暴走していると言うリョウ。そしてそんなリョウに「今、立ち止まったらそこで終わりがくる」と言い放つコウイチ。リョウに掴みかかるコウイチの迫力がすごくて、そしてそこでなにかセリフがあるのかと思っていたけど、なにもなく、だからこそ何か大きな溝があるのを感じてしまう。言葉ではもう言い表せないほどに深くなってしまった隔たりを。少し子供っぽさを残しているリョウのセリフ。そして、前に前に進むばかりで心が見えないコウイチのセリフ。どちらも舞台にかける想いはひしひしと伝わってくるのに、なぜか本心が見えない気がする。どちらも心の奥になにか持ったままそれを抱えている曖昧さがある。そして、それが悲劇を生んだのだろう。
 殺陣のシーン。今年も見応え有。特に階段が出てきてからのコウイチの必死の形相がすごい。一人一人順番に倒していくのですが、それが必死なのもわかるし、隙がないのもわかる。そしてそのまま階段へ。緊迫のシーン。そして挑発、そのあとの殺陣は重くて辛くて、見ているのが辛かった。切られてもそれでも演じ続けようとするコウイチ。力無くリョウを切って捨て、そして倒れていく姿。その姿があまりにも必死でどうしようもない気持ちがわき上がってくる。そしてそのまま階段を落ち、仰ぐように天を見つめて一幕終了。ラストのコウイチの表情はなんとも言えない。恨みとかそういうのではなくて、やり遂げられないことに対する疑いを感じるのです。まだやれるはずという気持ち、そして血に濡れた身体。どうしてこれで終わりなんだという気持ちが見えました。
 休憩。お手洗いが混むことは知っていたので休憩の終わりに行きました。それまではロビーをうろうろとか。休憩中は物販はとっても空いているので穴場かも。
 2幕。休憩の終わり頃に側面のあたりで人の動くのが見えたので、そろそろ始まりだなーって思って準備。このお墓のシーンは特に好きなところなので、凝視。「In The Cemetery
」のイントロだけで釘付けですよ。ここのダンスは赤と黒のダンサーさんを従えて、白のブラウスで踊るコウイチがとても素敵なの。やっぱり、このシーンは大好き。終わりは逆光の中で終わるのもいい感じ。そしてシェークスピア劇。このシーンの死神のような役(シェークスピアに詳しくないのでわからない)が好き。えらそうでそれでいて淡々と刃物を突きつけるような鋭さがある。マクベスがとくに好きかな。ロミジュリは甘すぎるセリフにいつも驚かされる。リカ役の方の声の張りが良かったけど、いまいち恋愛という狂気は見えなかった。それよりは純粋すぎる恋という印象。
 バックステージ。戻ってきたコウイチは今年もはじけてる。ヒロシです調に登場して明るいスタート。リカは複雑な気持ちでコウイチを見つめ、ネックレスを渡して、抱きつく。このとき本当のことを知っていたけど、それでもそのつかの間の幻を抱きしめていたかった気持ちはわかるな。リョウのショーは結構みどころ。ギリギリでやっているリョウの痛々しさが出たショーだけど、そのギリギリ感がスリリングな魅力。そして、「Why don't you dance with me?」このフリがとてもかわいいのに気が付いた。後ろ手でくいくいっってするとこ。みんなで揃ってやるとほんとかわいいだってー。そして、リョウの告白、リカの決心。2度目でもこのシーンは泣きそうになる。リカはここで自分の恋心よりもコウイチへの愛に目覚めたんだろうな。自分のためじゃなくて、コウイチのために。なによりもわかりやすい方法で、真実を伝えるために。自分の恋を満たすためだけだったら、きっといつまでも幻にすがりついていただろう。元気に笑ってみせ、前と同じように踊ってみせるコウイチ。だけどそれは真実を隠した笑顔でしかない。だから、本当を見るために自分の恋心は捨てた。その強さがリカにはあった。そして、このシーンのリョウ。リョウのセリフにどうしても泣けてしまう。これほどまでに感情が揺さぶられるとは思ってもみなかった。リョウのセリフ、涙声だった。それは演技なのに真に迫ってきた。心からの声だった。だから、私の心にも届いた。前に前に進むコウイチに切り捨てられていく自分の焦りや孤独。それは誰しもが感じる感情。それをまっすぐに吐き出すリョウ。追いつめられてそれでも闘って、だけど遠い。そんな絶望感。それをたぶんコウイチに知ってほしかっただけ。ただ、きちんと見てほしかっただけ。前を走り続けて背中を見せ続ける彼にこっちを向いてほしかっただけ、それだけなのかもしれない。誰が悪かったわけでもなく、掛け違えてしまった心をお互いが見付けられなかった。きちんと見れているようで見れてなかった。それだけのこと。仲間の中で大切なことはひとりじゃないってこと。手を差し出したり、笑顔を向けたり、涙ぬぐったり。些細な一つの仕草がいろんな人を助けてる。きちんと結ばれていたはずの手なのに、いつのまにかはぐれていた。だから、気持ちがちゃんと伝わらなかった。こんどはきちんと心を繋いだから、伝わっていく。それがエンドレスのはじまり。晴れやかな顔になったときに、リョウが涙を袖でぬぐって顔を上げた。その仕草が心に残った。リョウはほんとに泣いてたんだ。それが伝わったから、その真実味が私の心を揺さぶった。いまの錦戸くんで見れてよかった。ほんとにそう思った瞬間だった。 この続きは時間がなくなったので明日にでも。