◆左手と左足のタップ。

Ryu Goto

Ryu Goto

 先日、五嶋龍ヴァイオリン・コンサート2008に行ってきました。1年に1度だけですが、クラシックコンサートを愉しんでいます。予習は少ししかしないでコンサートに行ってしまったために、初聞な曲ばかりでしたが、五嶋龍さんのヴァイオリンの音を堪能しました。たった1つだけ予習していた『カルメン幻想曲』はビゼー/ワックスマン編曲のものだったのですが、サラサーテを予習してしまい、まったく違っていました。始まった途端にあれれ?って感じに勝手になっていました。
 アンコールでは数曲を弾いてくださいました。1つのヴァイオリンだけの音であんなふうにあの空間を染め上げることができる力量に飲み込まれていました。五嶋龍さんが弾いているときに、トントンと規則的でもない変則的でもない音が聞こえるのでなんだろう?と思っていたのですが、よく見ると五嶋龍さん自身が床に足をつけるときに出ていた音でした。
 一番印象的だったのは、左手だけでヴァイオリンの音を出しておられたことです。通常、右手に持った弓で音を出していると思うのですが、左手で弦を直接弾いて音を出していたのにはびっくりでした。右手で弦を弾いて演奏されているのは拝見したことがありましたが、左手だけで演奏するというのは初めてでした。しかも、その左手の動きがかなり滑らかで淀みないのです。かなり速いペースで弾いておられたことと、まったく右手を使っておられなかったことに驚愕していました。
 すごく楽しそうにヴァイオリンを弾いておられたのもとても新鮮に感じられました。やっぱり生の音を聞くとその震えが直接身体に感じられて心地よいです。また機会を作ってクラシックに浸りたい。そして、やっぱり予習は大事と思い知りました。