デスノート 後編。

DEATH NOTE デスノート the Last name [DVD]

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 結局、テレビ放映まで待ってしまった後編。ミサミサのイメージが違うと前編では思っていたのだけれど、戸田恵梨香さんのかわいさが見えて、漫画とは違うミサミサを見た感じ。すべてがライトのためであるミサミサ。何があっても着いていくというその気持ちだけが本物で、その他のものはなにも要らなかった。あまりにも思い切り過ぎているミサが少し怖く思えた。無邪気に見えて、すごく強情だったりとか、あまえんぼうだったりとか、すごく上がり下がりが激しい女の子なんだけど、実はいろんなことが見えているのかもしれないという底知れなさが見えた気がした。すべてを忘れてしまったミサミサの笑顔が、すべてを一番知っていて、ただ覚えていないだけっていう、ものすごく怖い状態にある、そのギャップが戸田さんの演技の中にはある気がした。
 後編に入るとライト、前編以上に怖い。淡々と自分の計画通りに人を動かしていく様子は、感情もなにも見えなくて、ラストになにも感じないほどだった。彼の作り上げたひとりよがりな世界は、いつまでも彼の思い通りには進まなかった。自分の仕掛けた大きな罠に自分が酔いしれてしまったから、自分の終わりを招くことになった。ただ、そこだけがライトが人間的であった部分なのかなと思う。
 映画版のラストは原作と違うということを聞いていたから、こうなのだろうと思っていたとおりだった。原作と違うとすると正反対に違う世界しかないだろうから。潔いまでのLの決断。彼にしてもこの手しかないほどまでに追いつめられていたということなのだから、紙一重の差ということでしかなかったのかもしれない。夜神パパが意外に冷静だったかなぁ、彼も彼としてなにか掴んでいたのかもしれない。夜神パパは真実を全部背負った。そして、これからも生きていく、それがすごく重い。Lと夜神パパの会話は、この2人の方が実の父子よりも心が通じているのかもしれないと思わせる。なんだか皮肉めいている。