薔薇のない花屋 第4話。

 美桜と英治の仲は英治が美桜のアパートを訪ねてくるまでに。美桜は、院長から聞かされた英治への印象と自分が持っている英治への印象の違いに戸惑いながらも、自分が感じていることを信じることにしました。「信じる」という言葉は強く響いたけれど、危うさも滲んでいました。それは美桜が英治についている嘘のため。「信じる」と言っている気持ちは本当だけど、美桜は本当の自分をさらしてはいないから、その言葉が少し霞んで聞こえるのです。本当のことを告げたときにすべてが消え去ってしまうから。
 英治は省吾のために思い切った行動にでました。省吾のことを語る彼の言葉は力強く澱みがなくて、それは彼の経験してきたことに繋がっているからなのでしょうけど、確信めいて聞こえる言葉に少し違和感もありました。彼の優しさがそれはすべてではないと思わせる響きがありました。彼の心の中に確かにある暗い部分が少しだけ見えたような、そんな気がしました。舞い散る羽毛の中で今を断ち切った省吾の決意、頭巾を被った怪しすぎる二人組。なんだか、不思議に悲しくて、そして、浮遊感のある映像でした。