イギリスGP決勝。

 ハミルトン旋風が吹き荒れるF1はとうとうハミルトンの母国イギリスにやってきました。イギリスの熱気はすごい。開催を危ぶまれていたサーキットだとは思えない盛り上がりです(今もやっぱりいろいろあるのかなぁ?)。特にすごかったのは予選。アロンソのタイムをキミが塗り替え、そのままキミがポールかと思ったその瞬間にハミルトンがひとりだけ1分19秒台でポールを獲得しました。ほんと客席からすごい歓声が起こって、映像を見ているわたしもびっくりするくらいでした。ハミルトンの満面の笑みを見ても清々しかったです。
 さて、決勝。キミ・ライコネンが速かった。イギリスGPではマクラーレンフェラーリは見ていてもわかるくらいにフェラーリが速かった。マッサはスタート直前のアクシデントでピットスタートになりましたが、結局5位まであがってきましたし、フェラーリのマシンはすごかったです。フェラーリがソフトタイヤを選んできたことに最初、びっくりしましたが、フェラーリにとってはソフトの方があっていたのか終始ペースが良くってびっくりでした。ハミルトンは最初のピットストップまではトップでしたが、ピット作業のミスもあって1回目のストップでキミに抜かれました。しかし、そのキミもアロンソが第2スティントを短く切る作戦に出たため、アロンソにトップを譲るカタチになりました。アロンソは第2スティントでキミに抜かれないほどのマージンを稼がなければなりませんでしたが、キミの速さは本物でした。アロンソが2回目のピットに入ってからの数周はものすごいペース。結局、キミが2回目のピットに入って出てきたときにはアロンソと2秒ほどの差があり、悠々トップ。それからの走りも速い。久々にフェラーリの速さを実感しました。ハミルトンはそれでも3位表彰台。連続表彰台記録を更新中です。このごろは表彰台よりも優勝するかどうかが、ハミルトンの話題になるってとにかくすごい大物ルーキーです。
 キミは表彰台でも笑顔が見れたし、相当うれしかったに違いありません。クールすぎるキミは優勝してもあんまり顔に出さなかったり、外から見える感情があまりない方のような気がしていたのですが、今回はほんとにうれしそうでした。ガッツポーズも何度もしていたし、表彰台での写真はポーズ決めていたし、喜びがでているキミを見るのは久しぶりでした。エースとしてフェラーリに入ったキミ。ちょっと沈みがちでしたが、そろそろ本領発揮というところ。
 さて、ホンダ。予選はバトンがQ3で脱落するという母国グランプリとは思えない悲しい結果だったので、かなり落胆しました。バリチェロもそんなによくはなかったし、フランスでの復調は幻だったのかとさえ思いました。他のチームと違ってシルバーストーンでのテストをしていなかったので、その分データ収集不足がたたっているのかなとかいろいろ思っていました。決勝のスタートも出遅れてバトンは18番手とどうしようもない後方に沈んだため、もう終わったかのように感じられました。でも、母国グランプリなのでそれなりにピットストップやレース中も映像はありましたけどね。アンソニー・デビッドソンに抜かれているシーンは観ましたが、そのあと逆にデビッドソンを抜いたシーンもあったようです。
 そのまま周回を重ね、半分がすぎたあたりでまだホンダの2台はピットに入ってないとのこと…、どういうことなのか?と思っていると、バリチェロのストップ。静止時間は9秒。 え?! まさかの1ストップ作戦ですかっ! そのあと入ってきたバトンも1ストップ。ホンダ、すごいことをやってのけたものです。レースが始まる前の川井さんの解説ではこのサーキットでは3ストップも1ストップも損とのことだったのですが、ホンダにすれば1ストップがよかったのではないかなと思います。あれよあれよという間にバリチェロが9位でバトンは10位でした。上位8人はホンダがまだ敵わないチームですし、今の時点ではこのポジションが最高かなとも思います。思い切った作戦に出たホンダをちょっと見直しました。願わくば入賞圏内に入るべく、ルノーBMWと闘ってほしいところです。その上のマクラーレンフェラーリは別次元なので、そこまではさすがに望めません。
 スーパーアグリは他のチームがぐんと戦闘力を付けているのに置いて行かれているような感じです。佐藤琢磨さんは辛いレースでしたし、デビッドソンもリタイヤとなってしまい、初めての母国グランプリは完走できず残念でした。少しづつ他のチームとの差を詰めてほしいです。