キャシャーン。
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2004/10/23
- メディア: DVD
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私は原作のキャシャーンは絵柄くらいしかしらないのですが、キャシャーンの実写化ということで、どんなふうにあのヘルメットや衣装を違和感なく見せるのかなと思っていましたが、やっぱり違和感はありました。多少コミカルに見えるシーンもありましたが、全体として貫かれているのは生きるという悲哀だったように思うのです。闘うということがどんなことなのかも知らずに、正義感を振りかざしているだけのヒーローとは違って、キャシャーンには大きな心の傷があり、それでも、生きることを選んで闘うことを選んで、立っていました。自分がそこに生きているという意味がどんなに重いものなのかということを噛み締めて。悪役にみえるブライにも、心の傷はあって、ただ認められたいと願う心が闘いに走らせてしまった。本当は抱きしめてほしかっただけなのに。なんだか悲しいくらいに、誰の願いも空回りしていて、そして悲しい結果ばかりを引き起こしてしまった。願いだけからすると、誰の願いもまっすぐで当たり前のものだったのに、そのどの願いも叶えるための手段を間違ったときに、悲しい結果しか生まなかった。ラストの宇多田さんの曲もものすごく悲しく響きました。すごく悲しい世界でした。心がすれ違ったり、誤解したり、拒んだり。なのに、ものすごく愛されたがってる人達ばかりなんですよね。闘ってもほしいものは見付からないのに、闘って、傷付いて、そしてまた闘って。もっと、違う道を選べていたら、もっと幸せに笑顔になれたかもしれないのに。正義のヒーローが背負う重さを感じられた作品でした。