東京タワー。
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2005/07/21
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年下の男性といるとどんな年齢の女性でもやっぱり女の子に戻ってしまうのだと思う。そしてその感覚がたまらなく愛おしい。年を経てしまった分、キリキリと締め付ける制約に縛られて閉塞感に満ちている。結婚していれば、なおさら。家庭とか旦那さんとか家事とか、代わり映えのしない毎日に飽きている。そこに現れた恋という名の誘惑に勝てる気なんてしない。自分を自分で取り戻して、どんどん女になっていく。それがいけないことでも、それでもたぶんその欲求には抗えない。
年下の男性はどうしてあんなふうにまっすぐでいられるのだろう。あんなふうに素直に一緒にいたいと口にできるのだろう。社会を知ってしまった女性には、学生の彼はやはり少し幼さが見えるし、内と外との線引きが曖昧に思える。外の顔をしている女性に、内向きの笑顔を向けてくる彼。そんなギャップが少しだけ辛くて、そして、その素直さがたまらなく愛おしい。すべてを預けられることの怖さに少しだけ身をすくめる。すべてを女性の色に染めようとするその一途さが怖く思える。それだけの覚悟は女性にはできていないから、ただ言い訳のように「何をしなくちゃいけないと思わなくてもいい」という免罪符を貼り付けている。相手を傷つけないように、自分が逃れられるように。
自分のテリトリーをはみ出して、恋に飛び込める強さを私はまだ知らない。フランスに行った彼女の強さは私にはない。やっぱり、私には守るものがあって、それを壊せない。壊せないから恋ができないのか、恋ができないから壊せないのか。たぶん、私なら一人で泣くだけだろう。一生、恋心を持て余したまま、自分の殻に閉じこもるのだろう。今も東京タワーを彼が見て、少しは私を想い出してくれるなんて、儚いことを思いながら。