◆マクロスデルタ 25話。

 マクロスデルタも残すところあと2話。
 なのに、なんですか、戦闘が始まったは始まったけど、一方的な展開。星の歌い手としてウィンダミアに拘束されてしまった美雲さん。ワルキューレは美雲がいなくて、マキナが撃たれてばらばらに。フレイアは老化が始まってしまったし、なんだか先行き明るさが見えないのですが。
 なんといっても敵が誰なのかが不明確なところが、ストーリーをもやもやとさせています。新統合軍が次元兵器を使ってきたりして、あまり正義っぽくないことや、だからといって、ウィンダミアも美雲を使って人の心を操ろうとしたりして、どっちにも心情的に移入しにくい状況です。
 そして、ワルキューレの立ち位置も微妙で。どっちについているかとかわからないし、だいたい正体不明の「レディM」や武器商人にいいように操られているだけにしか見えないんですけど。今回の戦闘が小さく見えてしまうのは、だからなのかもしれないなぁ。あまり組織的に戦っているという気がしなくて(指揮命令系統がはっきりしないので)、感情だけでふわっと戦闘になっている気がします。
 今回もハヤテの父とフレイアに関係があったとわかるんですけど、あんまり劇的じゃないし、だからなんだというような感じで。例えばだけど、ハヤテの父がフレイヤ渡したあのレコーダーに、ハヤテあてのメッセージか何かが入っていて、フレイアはそれを渡す相手を探していたけど、なんだ、もう近くにいたんじゃないかってわかって解決するとか。フレイヤが持っていたレコーダーと、ハヤテが今回父からもらったものを合わせると古代遺跡の謎がとけるとか、そういうのでもなんでもよかったから、劇的にしてほしかった。
 そして、三角関係はハヤテとフレイアでとりあえず落ち着くみたいです。なんの波乱もなく、ラブコメみたいな痴話げんかしたのが解決しただけで。フレイヤも自分の命がそんなに長くないことを知ってもっと悩むとか、むしろミラージュに託すとか、そういう心のぶつかりあいがないから、薄っぺらいんだよな。ミラージュも傍観貫いてるしさ、まったく空気キャラになってるし。
 空気キャラといえば、キースも。なんにもしてないんだよね、ハインツ様に対して。もっとロイドと取り合ってほしかったな。殴り合いでも果し合いでもなんでもいいから、もっと熱いのがみたかったよ。
 たぶん、マクロスデルタが盛り上がってないのは、起伏がない(ストーリーも感情も)、戦闘がない、つきぬけてない、からだと思うなぁ。思いやりに思いやりを重ねると、面白さにはつながらないで、悲劇を生むのかもしれない…。