◆オレンジ色のひかり。
堂本剛さん出演のドラマ「プラトニック」第7話。
青年の頭の腫瘍が奇跡的に小さくなり、助かる可能性が出てきたことで、2人の関係性が揺らぐ。弟に電話をかけて「助かるかもしれない」とつぶやいたその言葉に、生きたいという意思があふれていて、安堵感と希望が見えて、本当の青年を見た気がした。これまでの彼は落ち着いていたけれど、どこか無理をしているような気がして、だから、人間らしさがあまり感じられないでいた。
手術のことをまったく沙良に話さずに決めてしまったのが、なぜなのか、わたしにはわからない。愛しているから、なのだとしたら、どんな理由なのか。助かることを喜んでくれないとは思わなかっただろう。助かる確率はでてきたものの、それでも死への道を進む彼として、希望というものが毒のように思えたからなのか、最終回できっとそれも明かされるだろう。
沙良は彼に裏切られたかもしれないと、他人の言葉に激しく動揺し、そして、彼の姿を見つけたときに、本当に彼を失いたくないと強く実感した。少しだけそのときに二人の世界は変質したように思えた。きっと少しだけれど、バランスは変わってしまった。すべてを信頼しきっているわけではない、薄氷のような世界に。
「どちらが息を長く止めていられるか」子供のように言って、微笑んだ青年のあのいたずらげな瞳がとても好きだ。でも、青年はすべての心を明かしてはいない。オレンジの光の中で、2人は同時に恋に落ちて、瞳を閉じた。だけど、青年の方が先に目を開いた。それは何を意味するのか。
2人の恋が大団円ではないことは最初からわかっている。だけど、それでも幸せを願う。少しでも長く、青年の笑顔が見られることを願ってしまう。