全日本フィギュア 女子フリー。

 浅田真央さんの演技が終わって、ふっと瞳を閉じたそのまつげの先に安堵感があったことが、この大会の中で一番印象に残りました。演技後にふっと吐息をついた、その一息。それがすべてだったように思うのです。
 直前の6分間練習でとてもきれいな3Aを決めていました。ほんとうにきちんとまわりきれている3A。今シーズンに入ってからこれほどの3Aは私は映像では見たことがありませんでした。試合後のコメントで「トリプルアクセル」に言及していたことが、とても前向きに思えました。四大陸選手権と世界選手権の切符を手に入れた真央さん。きっと次の大会では跳んでくれるんじゃないかって思っています。これまでも「跳びたい」という言葉を発しているということは聞いてきました。でも、まだその段階にないということで、今回も3Aを入れない構成になったのだと思います。点数が出てからも、佐藤コーチと長めに話しておられましたし、いろんなことを次に向かって話していくとは思うのですが、その中には3Aが入ってくるんじゃないかと期待しています。
 今回の全日本選手権はいつもどおりというわけにはいかなかったと思います。八木沼さんの声が涙声になっていたのを聞いていて、わたしもほろりとしちゃいそうになりました。温かい拍手、温かい声、本当に日本にはいろんな温かさがあふれているんだなぁって私も思いました。
 真央さんの演技については、今プロトコルを見て、見た瞬間に『何かの陰謀なのか』と思ったくらいの点数の低さをやっとそれなりに理解したところです。結構、回転不足を取られてしまったんですね。2A-3Tはそうかなと思っていたのですが、3F-2Lo-2Loも撮られていたし、そしてやはり後半の×1.5になってからの2Sと2Loが響いてしまいました。真央さんが得意のLoを失敗したのは本当にびっくりしてしまいましたし、真央さんもしきりに悔しいという言葉を口にしていたように思います。
 今は、私もほっとしています。リアルタイムで実況をリロードするしかできなくて、LIVE中継だったら、もっと泣くほどに感情移入できたかと思うと、ちょっと悲しいくらいです。明日のエキシビションはただただ楽しみたいと思います。