バンクーバーオリンピック 男子FS。

 やっとちゃんと見れたので、感想を書くことができます。速報が早くて結果だけ知っていましたが、演技をみないと自分の中に感情がわき上がってこないので、みんなの波に乗り遅れないように早くみようと思っていました。最終グループと気になる人だけチェックしただけなのですが、最終グループの濃密さは言葉には言い尽くせないですね。
 小塚崇彦さんは4回転成功!成功したときには、私もガッツポーズしちゃいました。これからに繋がる演技でした。演技全体もとてもよかったです。
 エヴァン・ライサチェクはノーミスの演技。SPの時の演技途中でもうどうしようもない熱さを感じる演技とまではいってはいませんでしたが、本当に美しいスケーティングとスピンを見せてくださいました。ジャンプに危なげがありません。
 次の織田信成さんは途中で靴ひもがほどけるアクシデント。4回転は今日の朝の調子で回避を決定したそうです。ジャンプはどれもものすごく綺麗な着氷で、織田さんらしさがでていました。中断後の演技もしっかりしていました。ライサチェクの演技の歓声を聞いて、足がすくんだというコメントがありましたが、チャップリンメドレーでの表情が硬かったように思いました。いつものはじけるようなスケートを楽しんでいるという表情ではありませんでした。とても織田さんに合ったプログラムなので、世界選手権でまたあの表情を見せてくださったらと思います。
 ランビエール。4回転2回。バランス崩しているのにセカンドジャンプつけてしまうなんて凄すぎる。芸術点が高いのがわかる構成。3A抜きのプログラムだとちょっと厳しいかもと思いました。
 高橋大輔さん。もう、滑っている途中で涙しそうになりました。最初の4回転は見事なくらいに転倒して、でも、それから後、颯爽と滑っていて本当に気持ちが入っていたと思います。最後のステップは気迫が伝わってきました。これまでのすべての時間をこの瞬間に凝縮しているようなそんな気がしてきました。昨年のいまごろはどうなっているかわからなかった。そして、今オリンピックの舞台に立ち、こうして滑っている。演技の1つ1つの動作がどれも細やかで、そのときそのときに見せる表情がとても穏やかで、その姿を見ていたら、この「道」というプログラムにかけた高橋さんの気持ちが少しだけわかったような気がしました。本当に、銅メダルおめでとうございます。
 そして、プルシェンコ。4回転-3回転、決めてくるんですよね。他のジャンプも軸がかなりぶれているのに、ちゃんと着氷する。とんでもない人だなと思いました。演技全体から受ける印象はそれほど強くはありませんでしたが、それでも、ジャンプの転倒がないこと、4回転をミスなく決めてくること。その存在がスケート界に与える影響は少なくはないと思いました。チャレンジし続けることの難しさ、美しさとの両立、フィギュアスケートというスポーツの多面性を感じました。
 そして、浅田真央さんが今日、バンクーバーに旅立ちました。とてもいい表情でした。リンクの上でもその柔らかな表情を見せてほしいです。