大唐游侠伝。

大唐游侠伝 DVD-BOX 1

　武侠ドラマシリーズ、大唐游侠伝を見終わりました。武侠の面白さが散りばめられている作品で、最初から最後まで面白く拝見できました。この作品はキャラクターがいいなと思います。主人公の摩勒はとにかく堅物なんですが、好きな人にかけてはちゃんと最初から最後までまっすくだったので、そのあたりは好感が持てます。ヒロイン燕羽は最初はとんでもないじゃじゃ馬でしたが、途中から切なげな気配を見せるようになり、あまりにも献身的なその行いにすっかり骨抜きになっていました。兄と好きな人との間で揺れ動く心がなんとも言えません。主人公の友達、空空児が本当に魅力的なキャラクター。恋愛もいい感じになっていたし、軽巧が使えるので、ふわりふわりとよく跳びます。何度も耳にした笛の音も好感ポイント。個人的にはおじさまが好きなので、秦襄将軍や哥舒翰将軍がかっこいいなと思えました。強い気持ちを抱いている人はかっこよく見えます。
　主人公やヒロインの生い立ちがストーリー全体の謎ときのようになっているのですが、意外に早い段階でそれとなーくわかってしまいます。とんでもない大技が出てきたりとか、主人公が突然強くなったりもしなくて、特にラストはそういう展開って…？！、と思うくらい悪役を恨めないような展開にもっていかれて、主人公が大技を披露することもなにもなく、ラストになってしまうのですが、まぁ、戦いよりも人物にスポットライトが当たっているお話だったようにも思います。
　恋愛は中盤で山場が来てしまい、後半が微妙な三角関係。最後も最後で盛り上がりもなくて、ちょっと淋しかった。一番どきどきしたのは、回またぎで放送された庭で偶然、逢ってしまいました！のシーン。ここで逢ったらもう一気にいってしまうしかないのでは？！と思うくらい盛り上げたのに、するっと離れていくのがまた淋しい。かなり切ないシーンでした。
　全体としてストーリーも飽きることなく、いろんなことが起こって最後まで楽しめました。武侠モノにちょっと飽きがきてしまったかなと思っていたりもしたのですが、まだまだ面白い作品がたくさんあるのだと改めて思いました。