バレンシアGP決勝。

 抜けないサーキットバレンシア。今年も抜けないサーキットのまんまでしたが、それでもレースとして面白かったです。途中いろいろあったので。
 とにかく、バリチェロ! 優勝おめでとうございます!! 年齢だとか引退だとかそういうことも言われていましたが、第2スティント後半の猛烈なプッシュはどきどきしました。オンボード映像でも攻めて攻めて攻めまくっている走りが見えてきました。そして、掴んだチャンス。しっかりと固めて表彰台の頂点に登りました。ヘルメットに込めたマッサへのメッセージも感激。さすが、バリチェロと思う素晴らしい走りでした。アナウンサーの方が「誰が優勝を予想していたでしょうか」とコメントされていましたが、私は予想してましたよ。そして、私だけじゃなくてもっとたくさんの人が予想していたと思うんです。予選での走りは素晴らしかったし、車体重量を見る限り、マクラーレンの2台を抜くこともできると思いました。だから、この結果はまぁ、直接的にはマクラーレンのミスがあったわけなのですが、バリチェロのチカラだと思います。
 さて、スタートはバトンが大きく順位を落としたこととやっぱりKERSライコネンが前に出たことがポイントでした。そのあとは抜けないサーキットなので順位の変動はなく。マクラーレンの2台が軽快に跳ばしていきます。1度目のピットストップで、バリチェロコバライネンを抜きました。ベッテルの給油が上手くできていなくて、2度目のピットストップになり、しかもエンジントラブルに見舞われて、リタイアになったのはちょっと残念でした。ベッテルのエンジンがもう1基しかなくて、ペナルティ覚悟だという話もあり、ベッテルにとってはこれからのレースが辛いモノになってしまいますね。
 バトンは8位走行中。前のウェーバーよりもずっと速く走れそうなのですが、やっぱり抜けはしません。2回目のピットストップのときにチャンスがやってきました。前がつかえていることもあったので、早めに入ったバトン。新品ソフトで勝負をかけました。アウトラップは速い! いつもながらに最終スティントのアウトラップ驚異的なんですよね。ウェーバーのピット作業にミスがあったことから、ウェーバーより前の7位になりました。しかも、クビサにも抜かれたのでポイント圏外の9位。バトンが少しづつでもポイントを重ねているのは評価できると思います。ただ、ここ数戦のバトンは本来の挑戦的な走りではなくなっているような気がしてなりません。ちょっとだけ守りに入っているというか。今回はスタートが全部を決めてしまうことはわかっていたので、もうちょっとアグレッシブにいってほしかった。守るよりも攻めてチャンピオンになってほしいんです。マシンの調子は上がってきたはずなので、ここで猛一回勝利への執念を見せて欲しいです。
 マクラーレンは速かった。最後のピットストップの連絡ミスがなければ、どうだったんだろうと思うくらいです。やっぱりマクラーレン、このままでは終わりませんね。これからも上位に食い込みそうです。そして、バドエル。なんだか、ちょっと…というような走りでした。私は特別フェラーリファンというわけでもありませんが、やっぱりフェラーリが予選最下位だったり、なんでもないところでスピンしていたりするのは、見ていて違和感を覚えます。しかも、ピット出口でグロージャンに進路を譲ったあげく、白線まで踏んでドライブスルーペナルティというのは、ちょっと…どうなんでしょう。予選でのピットロードの速度違反数回というのも。あのフェラーリが、というフェラーリだからこそ、なんだかこういう姿は見たくなかったなと思ってしまうのです。次もバドエルがドライブするようですが、ここが勝負ですね。これで結果が出せなければ、ドライバー交代だと思います。だって、やっぱりフェラーリですから!
 すぐにベルギーです。バトンのここ一番の強さがもう一度みたい。