日本GP決勝。

 スタートですべてが変わってしまったレースでした。予選はハミルトン、ライコネンコバライネンというトップ3だったのですが、最初の1周で予選の順位はまったく関係なくなってしまいました。スタート出遅れたハミルトンは1コーナーでかなり突っ込み、コースオフ。ライコネンも巻き込まれるカタチで順位を落としました。後方ではクルサードがクラッシュし、中嶋もマシンにダメージを負って後退。1週目でトップに立ったのは、クビサ。そして2位はアロンソ。思いがけない順位にびっくりするしかありませんでした。
 そして、このレースはここからアロンソというドライバーの凄さをみせつけられる展開になっていきました。最初のピットストップでクビサの前にでるために、給油時間を短くしたアロンソは第2スティントでクビサとの間にリードを築いておく必要がありました。アロンソの第2スティントのラップは素晴らしいものでした。アロンソとピケだけが1分19秒台を出していた時期があったので、ルノーのマシンもバランスがよかったのだとは思いますが、やっぱりアロンソの腕による部分が大きいとは思います。次のピットストップまでにクビサとの間に10秒以上のマージンを作っていたため、そのままアロンソはトップを守りきりました。
 ルノーのマシンはフェラーリマクラーレンのマシンとはやはり性能の差があると思います。しかし、ここ2戦、いちばんすごい走りを見せてくれたのはアロンソでした。ドライバーの腕で予選上位のグリッドを勝ち取り、そして、このレースもものにしたのだと思います。早く走らないといけないところで、そのタイムで走ってみせる。スティントをひっぱって順位を上げるのではなくて、ラップタイムの差で勝ち取るレースというのは、みていて気持ちいいものだなぁと思いました。やっぱり、アロンソはすごいドライバーです。
 そして、アロンソと比べてしまうとちょっと今年のチャンピオン候補たちは輝きがみられません。ハミルトンは1コーナーで冷静さを欠いてしまったために、順位も落としましたし、結局、ペナルティもくらってポイント圏外になってしまいました。ハミルトンの走りはバトルとしてあまり綺麗ではない気がするので、速いなら速いらしく、すきっと抜いてほしいものです。マッサはシケインカットしてハミルトンに接触した走りでペナルティを受けて、後退。なんとか8位に入りましたが、チャンピオン候補らしい走りではなかったです。そのあとブルデーがペナルティを受けたので7位となりましたが、この審議もなんだかすっきりしない。ハミルトンもマッサもチャンピオンというものが見えたために、走りが落ち着いていない気がします。それが勝負の難しいところだろうと思うのですが、あと2戦はフェアなバトルを繰り広げてほしいです。
 今回のレースで一番白熱したバトルはクビサライコネンとピケの2位争いでしょう。ピケは早々に脱落してしまったのですが(いいとこ見せるチャンスだったのに)、クビサライコネンのサイドバイサイドは力が入りました。あんなふうなフェアな戦いが見たいんです。
 日本GPは決勝前の様子が中継されているので、いつも楽しみにしています。ドライバーたちがインタビューを受けていたり、そのあとマシンに乗り込む準備をしたりと、いつもレースの前に行われていることが見れるのは楽しい。来年に向けてのドライバーやチームの動きもちょこちょこあるようなので、それも興味がありますし。クビサアロンソが仲良しという川井さんの情報が私には意外でした。表彰台でもアロンソクビサにずっと話しかけてましたもんね。すごくうれしかったのでしょう。チェッカー後のチームラジオでも叫んでましたし。今年もあと2戦。早いなぁ。