シンガポールGP決勝。

 F1史上初のナイトレースの決勝でした。予想していた部分もありましたが、やはりSCが2回入ったことで、予選の順位なんてすっかり関係なくなるくらいにシャッフルされました。ナイトレースという難しさよりも、コース自体の難しさを感じましたし、いろいろごちゃごちゃしたレースではありました。
 マッサがポールでレースはスタート。スタートは意外にもスムーズ。マッサが逃げ、ハミルトンがキミを押さえてスタートしました。キミはみるみる間にハミルトンに離されていき、マッサも十分なマージンをハミルトンとの間に作っていきました。後方ではかなーり重たそうなトゥルーリが動くシケインとなってしまい、行列を従えることに。それにひっかかっていたロズベルグや中嶋はかなり苦労してトゥルーリの前に出ていました。スピードとしてはかなりの差があったとは思うのですが、やっぱり抜きにくいコースに違いはないようです。
 そして、アロンソが最初にピットストップ。このピット作戦がすべての鍵でした。これから順番にピットインという周回になって、ピケがクラッシュしSCが導入されました。しかも、バリチェロのエンジンストップまで重なって、かなり長いSCとなりました。こらえきれずにピットインしたマシンもいくつか。そしてピットレーンオープンしたときに、とんでもないことが起こりました。トップを走っていたマッサがピットストップに失敗。燃料ホースをくっつけたまま出て行ってしまったのです。ここまでのマッサの走りは完璧でしたし、今季のチャンピオンを決める上でも大切なレースなのに、どうしてこういうミスがでるのか…。フジテレビのアナウンサーの方が「マーライオンのように開いた口がふさがらない」自体とコメントをしておられましたが、本当にそのとおり! あまりにも言い当てていてびっくりするほどだったので、アナウンサーの方に拍手を送りたいです。
 マッサの失敗がそのあと待っていたキミのピットストップに対してもロスとなり、フェラーリチームとしては取り返しのつかない自体になっていました。給油ホースを抜くまでピットの出口付近で待っていたマッサ。その心情はいかばかりか。レースに戻ったもののそのあとの周回は精神的にかなりガタガタだったのか、ミスだらけでした。しかも、またもやピットレーンリリースでのペナルティも受けましたし、マッサがスピンからコースに戻ろうとしたときにスーティルのリタイヤを招いてしまいました。マッサにとっては最悪のレースだったと思います。
 このセフティカー導入によりトップに立ったアロンソはそのまま優勝! そして、ペナルティを受けたもののその時間帯がよかったロズベルクが2位に入りました。アロンソの優勝はすごい! フリー走行まではかなり好調だったのに、予選はトラブルによりリタイアして、みるからに落胆していましたが、決勝ではそれを吹き飛ばすような走りでした。安定した危なげない走りでした。これまで、ルノーのマシンで果敢に挑戦してきましたが、結果はなかなか出なかったアロンソ。この優勝はいろんな思いが詰まったモノだったと思います。今季のアロンソの走りはやっぱり王者!と思わせるものでした。ドライバーとしては今、一番実力があると思います。来年はどのチームかわかりませんが、果敢に攻める走りをこれからも見せてほしいです。
 Hondaはバトンが9位。ウィリアムズとの差はかなり広がってしまったので、今年はチーム順位は9位でしょうね。どん底からまたはい上がってほしいものです。とりあえず、トラブル多すぎ。