ドイツGP決勝。

 ホッケンハイムでのレースは2年ぶり。抜きどころのターン6ではいろいろなバトルが見られて見応えがありました。途中でグロックのクラッシュがあり、そこで大きく流れが転換したレースでした。
 このごろF1は予選が面白いです。今回もQ3は見応えがありました。フェラーリはあまり調子がよくなくて、ライコネンは6番手タイムでした。ハミルトン、コバライネンマクラーレンが巻き返しているのは当然の感がありましたが、4番手のトゥルーリ、5番手のアロンソはさすがの貫禄。他のチームメイトが下位に沈んでいるのをみると、やっぱりドライバーの腕でかなり上に来ているのだと思いました。
 決勝はスタートから見応えがありました。ハミルトン、マッサ、コバライネンは前にすっと行ったのですが、その後が混乱気味。トゥルーリがソフトタイヤを選択していたので、アロンソとの攻防がみられましたし、クビサがいいスタートでライコネンをパスするなど、要所要所でバトルがありました。前の3台が離れていて、トゥルーリ以下の攻防、あと下位ではバトン以下の攻防が続いていました。バトンのペースが上がらなかったので、再三に渡ってクルサードから猛プッシュされ続けていました。かなり守ったとは思うのですが、やっぱりかわされてしまいました。
 中盤までは同じような順位で展開しました。ピットストップ後も上位に変動はなかったのですが、ここでグロックがクラッシュしSCが導入されることに。グロックのクラッシュはかなりひどいものでしたし、マシンを降りたグロックが腰を気にしていたように見えたのが気がかりでした。後日報によるとグロックは大丈夫とのことでしたので、安心しました。
 このSCでとんでもないことが!SC導入が決定する前に、ピケが緊急ピットインをしてコース上に戻っていました。SCが導入され、ピットレーンオープンになると雪崩れるように各車が給油。ハミルトンだけは給油をせずにその場にとどまりました。このマクラーレンの作戦がちょっと不可解だったのですが、結果的にはよかったのかな。他のマシンはこれで残り周回を走れる燃料を持っていて、ハミルトンだけが給油にもう一度入らないといけないという状態でレーススタート。つまり、ハミルトンはトップはトップですが、ピットインのマージンをかせがないといけなくなってしまったわけなのです。マクラーレンのマシンが速いといっても、マッサとのタイム差は10秒ちょっとだったので、このままではトップを明け渡すことになります。
 ハミルトンがピットに入って出てくるとやはり4番手。しかし、ハミルトンには速さがありました、コバライネン、マッサ、ピケを次々にパスしてトップに。ハミルトンとマッサの攻防は見応えがありました。ヘアピンの立ち上がりでの勝負になったのですが、やっぱりマクラーレン、強かったです。ピケは1ストップしかしていなかったのですが、どうもこのまま最後までいけそうとのこと。つまり、2位なんです。あのSCが導入されるかされないかというところでの1ストップだけで、レースを走りきることができるようなのです。まさにピット側の作戦の勝利。あまりのミラクルぶりにびっくりしすぎて、どうしようかと思うほどです。まさかの表彰台。そんなのありなの?!という大展開。本当にラッキーなピケの表彰台でした。
 ハミルトンが余裕の勝利。強さを取り戻したみたいです。2位は幸運なピケ。3位にマッサ。ライコネンは6位と沈みました。Hondaについては書くことがないので割愛します。かなりレースペースが悪かったです。こういうこともF1であるんだなぁと思うようなミラクルなレースでした。