イギリスGP決勝。

 う、うわぁ!! 魔法が、魔法がかかってしまいましたよっ! まさか、まさか、今季Hondaが表彰台に上ることがあるなんて、夢にも思っていなかったので、この魔法に酔いしれてしまった。ルーベンス・バリチェロ、Honda、3位表彰台です! やった! 
 雨のHonda、雨しかないHonda、今の実力では雨が降るしかチャンスはないんですけど、でも、このチャンスをぐっと引き寄せたことに大きな意味があると思います。大粒の雨が降り出したときに、思い切ってエクストリームウェットに履き替えたあの決断。あの決断の速さがこの魔法を生み出したんです。あの順位だったら、入賞さえも見えるか見えないかだったし、大ギャンブルでしたが、打って出るだけの価値はあると思いました。
 ぴたりとはまったこの作戦。周回遅れだったバリチェロがラップダウンを取り返し、どんどん追い抜いていく様は、これまでに見たことがない光景。いつも競り負けているHondaを見ていたので、すかっとするくらいにマクラーレンフェラーリを追い抜く姿は、あまりにもどきどきしすぎです。こうなったら2位も狙えるかもと、いけいけどんどんな気持ちになりました。空が晴れてきていたので、いつスタンダードウェットに履き替えるかがポイントだったのですが、結局、給油のタイミングが先に来てしまったようで、思ったよりも早かった。これがもうちょっとガソリンがあったなら…なんて、欲も出ますが、表彰台なのですからできすぎだと思います。4位のマシンとのタイム差がかなりあったので、残り10周はゆっくり別の攻防を見て安心していられました。
 チェッカーフラッグが振られたときに、ほんとに表彰台なんだとじんわり感情が出てきて、表彰台に立っているバリチェロを見てHondaのスーツってこんななんだと思い、バリチェロのコメントを聞いて、感謝の言葉でいっぱいなことと、F1を愛しているバリチェロの想いが伝わってきました。『無理』なんてことはないって、いつでも、そう今日の16番手スタートでも表彰台を狙うと、その前向きな姿勢にいつも驚かされます。
 Hondaは今季あまりというか、かなり、いい状態とは言えないのですが、それでもバリチェロの口から出る言葉が驚くほどに前向きな気持ちだったので、チームの雰囲気はいいのかなぁと思っています。今回の表彰台はほんとうにシルバーストーンがくれたミラクルだったとは思うのですが、母国で結果が残せたことは本当にうれしいです。3位、おめでとうございます!!
 その他のレース観戦日記は明日ゆっくり。ミラクルすぎて信じられないので、とにかく書きました。