カナダGP決勝。
カナダGPは路面状況がレースの鍵を握っていました。カナダのコースはエスケープがあまりないので、クラッシュが起きやすくSCが入るレースになりやすいサーキットだと思います。今回はそれに加えて新たに舗装した路面が剥がれて、大変な状況になっていたようです。特に予選はすごかったみたいです。解説の方のお話ではビー玉が転がっている路面を走るようなものと言っておられましたが、だとするとかなり怖い状況です。
決勝もSCによって大きく状況が変化するレースでした。ポールポジションのハミルトンはかなりのペースで序盤はリードを築いていたのですが、スーティルのクラッシュによってSCが入って、そのマージンがなくなってしまいました。そのうえ、そのタイミングが微妙。2ストップ作戦をとろうとしていたチームにとっては最悪のタイミング。ピットレーンが空いた途端に5台くらいがピットになだれ込みました。そして、そのピットレーン出口でとんでもないことが。赤信号で止まったライコネンにハミルトンが追突。2人はリタイアになってしまいました。ハミルトンが赤信号に気が付かなかったのが原因のようなのですが、かなり痛いミスです。ハミルトンには次のレースでペナルティも課されたようです。
優勝争いのトップがいなくなったレースは、混沌としてきました。ハイドフェルドがトップ、バリチェロが2位という順位で再開。バリチェロのペースが上がらなかったので、ハイドフェルドはかなりのマージンを築いていきました。そして、クビサが好タイムを連発。最後のピットストップを終えたところで、BMWの1-2フィニッシュが決定していました。3位はクルサード。
そのあとがかなり混沌としていて、バリチェロが塞いでいたペースに追いついたのが、グロックとトゥルーリとマッサ。バリチェロのほんの少しのミスによって2台に抜かれ、マッサにも抜かれてしまいました。そういえば、マッサはこの前にターン10で2台抜きというすごいオーバーテイクを見せてくれたりしました。ターン10は舗装がかなりひどい状況にはあったようですが、オーバーテイクポイントなので、見応えのある攻防が続きました。ラストまでトヨタ2台とマッサとの戦いや、バリチェロとベッテル、コバライネンの戦いなどはらはらする展開でした。
上位3台は安泰でフィニッシュ。クビサが初優勝。BMWに勢いがあるなぁ。
ホンダはバトンが予選…、いやフリー走行からセットアップに苦労していて、予選もギアボックスのトラブルで早々にいなくなってしまいました。バリチェロは今季初のQ3進出で、9番手スタート。スタートからかなり苦しい展開を強いられていて、終始、見ているのが辛くなるような攻防が続いていましたが、きっちり7位フィニッシュ。素晴らしいです。体調が思わしくない中で、路面状況もあまりよくなく、マシンもナーバスで、バリチェロはかなりがんばっておられたと思います。特にラストのベッテル、コバライネンとのバトルはすごかった。最後までよく押さえ込みました。序盤は中嶋さんとのバトル、中盤はトヨタ、マッサとのバトル。どれもマシンの状況を考えるとバリチェロの腕があったから、押さえ込めたのだと思うものばかりでした。4位フィニッシュも見えたかなと思っていたので、トヨタに抜かれたのが悔しかったですが、それでもやっぱりすごかったと思います。『根性』かな。ほんとに、私としてはこのレースで一番すごかったのはバリチェロだと思います。