スーパーアグリ撤退について。

 SUPER AGURI F1 TEAMがF1から完全撤退することが表明されました。2年前に参入できるのかできないのかと気を揉んで以来、スーパーアグリはF1のチームとして大きなものを残してくれたように思います。最初はグリッドに付けるだけでも奇跡という話も出ていましたが、2台が完走し、去年にはポイントを上げ、いくつかのレースではファンがどきどきするようなオーバーテイクや他のチームとのバトルを繰り広げてくれました。
 何より大きなものだと思うのは、新しいチームがF1に参加できるという実績を残してくれたことです。これまでF1は新しいチームの参入が難しく、名門や長い伝統のあるチームばかりでしたが、やる気になれば新しいチームも参入できて、そしてF1の歴史に名が刻まれるということがわかったということが、本当に大きな功績だと思いました。鈴木亜久里代表やスーパーアグリの関係者のみなさんは本当にご苦労をされたことだとは思いますが、スーパーアグリのマシンが走っていて、そこにいるということが日本としてすごく大きなことだったと思います。
 今回、ものすごく残念なことに、スポンサーの問題もあり、F1を去ることになってしまいました。やっぱり、F1はすごく巨額の資金が必要で難しいのだなぁと認識させられましたが、F1に21,22台目のマシンが加わったことで、レースとしてもとても面白いものになりました。1から作り上げたチームとしての自負もありました。その姿が見れなくなってしまうことは、本当に本当に辛いことなのですが、これまでのレースでの走りを目に焼き付けていたいと思います。
 佐藤琢磨さんとアンソニー・デビッドソンは本当に才能あるドライバーだと思いますので、なんとかF1でまたレースをする姿が見れることを祈っています。今回の出来事でF1という大きなものの奥底を見た気もしますが、今はただ、スーパーアグリの関係者のみなさんへの感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。