スペインGP決勝。

 キミ・ライコネンがポールトゥウィンで優勝。一人だけ飛び抜けた走りを見せて抜群の安定感でした。いつもながらに優勝してもあまり表情が変わりませんが、シャンペンはいつもよりちょっと多めに口にしていたように思います。髪はさっぱりと刈り上げてしまっておられて、ちょっとびっくりしました。
 なんといってもスペインGPはアロンソの走りがすごかった。地元開催でスタンドもルノーの青で染められている中、あの予選での2番手タイムはぞくりとしました。これまでのルノーは中盤集団にはいたもののQ3に進出できるかできないかのラインだったのに、このスペインいきなりの2番手タイムでした。燃料搭載量が少ないのかなとも思いましたが、それほどでもなかったし、やっぱりアロンソの強さを見せつけられた気がします。1ラップで結果を出してくるその集中力はさすが元ワールドチャンピオンです。決勝のスタートではマッサに抜かれたもののそれからは先頭集団と互角に走っていましたし、ルノーの底力はすごいなと思いました。ほんと先頭集団が見えた走りでした。残念ながらエンジントラブルでリタイヤすることになってしまったアロンソですが、リタイヤした後も客席に大きく手を振ったりと親近感が沸く映像にこれまでのアロンソのイメージが大きく変わりました。
 そして、ヘイキ・コバライネン。ほんとに心配でした。タイヤウォールがあったのですが、それでもフロントが大きく食い込んでいたので、担架で運ばれているときに親指をぐっと突き出してくれる姿が見れたときはほっとしました。そのあとの情報によると大きな怪我もないとのことなので、次のGPに元気な姿が見られることを願っています。コバライネンのクラッシュは左のタイヤ部分から何か飛んでいるような映像が映っていたので、タイヤ周りのトラブルなんだとは思いますが、高速区間でのトラブルはほんと怖い。
 そして、Honda! バトンが今季初ポイントを獲得しました! ちょっとほっとしました。なかなかポイントが獲得できない去年からの流れを断ち切ってほしかったので、この時点で6位入賞はうれしいです。バトンもバリチェロも予選ではもう少しのところでQ3に進めずヤキモキ。その分たくさん燃料を積んでスタートしたので、コバライネンのクラッシュによってSCが入ったときにガス欠にならないかとどきどきしていました。バリチェロはそのときのピットインでフィジケラと接触してしまったようでピットロードを出ていくときからフロントウィングが半分外れた状態でした。そのまま1週走って戻ってきたのですが、やぱりマシンにダメージを受けたようでリタイヤ。そのあとの展開からするとポイントも狙えたので残念でした。
 バトンはそのあとの走りがすごかったようです。まったく映像が来なかったのでとにかく解説の方のお話に耳を傾けていただけでしたけれど。2回目のピットの前に中嶋との間に5秒あったようなのですが、そこから猛追撃。バトンの方があとでピットに入る状態だったので、中嶋がピットに入ってからの周回がポイントでした。そこをかなりいい感じで走ったみたいです。バトンがピットから出てきたときに中嶋を押さえることができました。しかし、映像が一瞬もこなかったので想像するのみですが。ピット出口だけでも見たかった。そこが今回のHondaの一番の見所だったのに(泣) とにかく、3ポイント獲得。続けてトルコも頼みます。
 他に印象的だったのはフィジケラハイドフェルドとのバトルは見応えがありました。あとハイドフェルド佐藤琢磨さんも。スペインは抜きにくいコースだったのでオーバーテイクはほとんどみられませんでしたが、随所にチームの進歩やドライバーの凄さが感じられたレースでした。そして、コバライネンが無事だったことが本当によかった。