カナダGP決勝。

 すごく荒れたレースでした。クビサのクラッシュはあまりにもすごくて、思わず声を上げてしまったくらいでした。心配していましたが、骨折もないということなので、しばらくしてレースに戻ってこられることを願っています。ひさびさにあれほどのクラッシュを見ました。浮き上がったマシン、ボロボロに壊れていくパーツ。F1って安全性を高めても命がけのレースなんだと知らされました。
 ハミルトン、ポールトゥウィンを決めちゃいました。優勝するとは思っていましたが、もう優勝ですよ。6戦目なんですよ。しかもポールからの優勝。SCが4度も入って、荒れ荒れの状況でしたが、早め早めのピットインでハミルトンにとってはすべてが優勝へ向けて動いていたように思います。結局はアロンソの予選でのミス、スタートでのミスが大きかったのかな。それにしてもハミルトンの集中力はすごいとしか言いようがありません。このコースも初めて走ったということなので、ほんと、まさにとんでもない大物が目の前にいるという感じです。新しい時代っていうのはこういうふうに始まっていくのかも。ハミルトン、まさかと思うけど、チャンピオンになっちゃうかもですよ。この安定感、すごい。
 そして、佐藤琢磨さんが6位入賞! 入賞もうれしいのですが、なんといってもアロンソオーバーテイクしたシーンが「やった!」とガッツポーズするほどうれしかった。スーパーアグリは確実に上位と戦えるようになっているんですよね。ひさびさに琢磨さんのオーバーテイク、しかもアロンソを見たのでテンション上がりました。満面の笑みの琢磨さんも久しぶりです。SCのときに給油せずにソフトタイヤを消化した裏技的作戦を取って、なんかちょっとピット作業もたついていたのも、なにもかもあのオーバーテイクですべてオッケーになりました。アンソニー・デビッドソンの「ビーバーさん」にはちょっと驚きましたけど。カナダは自然がいっぱいです。
 ホンダ! ホンダ! なにやってるのか! バトン、1周も走ってないじゃん!! どういうことだ! バリチェロも実質最下位ということで、どうにからないんでしょうか。ストレートの速度がとんでもなく遅いので、軽く抜かれちゃうのはかなり悲しいです。バトンもバリチェロもここまでくると楽観視したコメントしか出してないですが、フラストレーション溜まりますよね。去年も去年でなんかぱっとしかなったけど、このあたりから改善されたはず。後半だけでもいいから、スーパーアグリに負けない走りをしてほしいものです。
 今年のルールで納得できないのは、あのSCルールです。アロンソはペナルティ覚悟で給油したということだけど、なんとかならないのか。隊列が整ってからしかピットオープンにしないのはわかるけど、そのときガス欠だったら、給油しないと仕方ないし、それもタイミングの問題と言われるとなぁ。結局ピットオープンしてから、ほとんどみんながピットになだれこんでいたし。ガス欠のマシンにも給油するなで、ペナルティか。なんかちょっと納得できない。ペナルティではレッドシグナル無視で、初めて『ブラックフラッグ』が出されたのを見ました。すごい裁定くだったものだ。
 今回のレースはクビサのクラッシュでやっぱりどこか集中力が切れてしまった部分があるのかなと思いました。慌ただしい中で自分を保つことは難しかっただろうし、カナダはちょっとのミスでも再起不能になるコースなので、12台しか完走がありませんでした。次はアメリカGP。過去2回がとんでもないレースだったので、そろそろ普通のレースがみたいとこです。カナダは満員のお客さんで大盛り上がりなんだけど、アメリカ、がらがらだし、ちょっとテンション下がります。今年はどうだろう?