バーレーンGP決勝。

　バーレーンはマッサの優勝。マッサにとってこの勝利はとても大きいものだろう。前回の結果をすぐに取り返せたことはこれからのシリーズの中ではとても意味があることだ。ルーキー・ハミルトンに抑えられてミスをおかしたことで、マッサへの評価は下がってしまった。でも、今回は予選から決勝までマッサのシナリオどおりだったと思う。スタートもきちんとハミルトンを押さえていたし、SC後のリスタートでも上手く押さえた。そのあとは自分のペースで走っていた。危なげがなかった。レース前にミハエル・シューマッハからの電話がマッサにあったとのことだっが、シューマッハにとってマッサはとても大切な存在なのだと思わせたし、マッサもその期待にきちんと応えた今回の結果だと思う。キミとのエース争いもあることだし、マッサは優勝争いに絡んでくる存在であってほしいと思う。そして、キミ・ライコネン。今回もハミルトンに押さえられてしまった。中盤ハミルトンのペースが上がらなかったので、キミ、行けるか？！と思わせたが、結局、そのあと差を開けられてしまった。キミの走りはとてもクールで、その分、勝利の執念というものが見えにくいので難しい。
　そして、今回も表彰台に立ったルイス・ハミルトン。ここまでくるとルーキーとか関係なく、一戦、一戦の優勝に関わる存在になってきた。そして、上位の中では一人だけと思われるくらいに最後まで全力疾走だ。次のレースのことを考えてエンジンをいたわるというのではなく、そのレース、そのレースに全力だ。だから、やっぱり見ていて応援したくなる。それにものすごいことに着実に成長しているのが見えるし、初優勝が見たくてたまらなくなってきた。今年中には実現するだろうという確信さえ持てるほどだ。これからも、どんどんその若さと実力で熱い走りをしてほしいと思う。いつだって前を狙う姿勢はやっぱり、見ている人を惹き付ける。
　なんというか今のホンダにはコメントできない。我慢しているしかないんだろうな。フラストレーションも溜まるよね…。早くいいムードになってほしい。できるとは信じている。バトンが早々にリタイヤになってしまって淋しかったが、リタイヤしなくてもポイントには届かなそうという諦めの心境もあったし、バリチェロよりもアンソニー・デビッドソンの方が終盤まで順位が上だったのもあったし、今のところとにかく言うことがない。デビッドソンも白煙、佐藤琢磨さんも白煙。ということなので、スーパーアグリには今後ちょっと心配なところも。デビッドソンがブルツと争っていたところは見応えもあったので惜しい。
　今回のレースで元気だったのがクルサードとハイドフェルドで、クルサードのオーバーテイクショーはレースの華だった。ハイドフェルドがアロンソを抜いたシーンがこのレースの中では一番の見所。アロンソがオーバーテイクされるというのは、あまり見ないシーンかなと思うので、どきどきした。しかもBMWだし、これからも上位２チームに絡んできそうで楽しみ。