STAR WARS エピソード3 シスの復讐
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: DVD
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泣きそうでした。ほんと、中盤から後半にかけて泣きそうになってしまいました。これでスターウォーズが終わるというのもほんと淋しい。もっと見たい! 世界中がそう思っていることでしょう。エピソード4への繋がりははっきり見えました。
一番のみどころはなんといってもアナキンが暗黒面に堕ちる瞬間の瞳。ヘイデン・クリステンセンのインタビューにもあの20秒間の目の演技がみどころだと語っておられたので、そこだけは絶対に見なくてはと思っていました。終始、クリステンセンの目はとても印象的でした。ダース・ベイダーになってからの異様にぎらつく視線も、挑みかかるような目も、そしてパドメを見るときの優しげな目も、とてもいろんなことを語っていました。見終わって一番印象に残っているのが、彼の目の輝きだったように思います。アナキンが暗黒面に堕ちた理由は彼の純粋さにあるのだと思います。ジェダイの掟を厳格に捉えようとする彼には、評議会の決定が灰色のものに映るときがあった。丸腰の者を切り捨てるという掟に反する行為に嫌悪感を感じ、純粋に自分を律しようとする心と、より強大な力を求めようとする心の両方が、あまりにも強い力で引き合ったために彼の心は裂けてしまったのだと思えました。ジェダイの教えには「失うことを恐れない」というものがあり、これは私にはとても理解できません。アナキンには失いたくないものが多くあって、それを守るために力に手を伸ばした。大切な母を失い、パドメを失うかもしれないという彼の恐れが彼を強くもし、彼を弱くもしたのでしょう。愛すると人は弱くなる。恐れることは私としては悪いことではないと思っているのですが、ジェダイ的にはダメなんですよね。人の弱さというものは隙に繋がる。でも、もっと大きなものにも繋がっていくと思うのですが、アナキンはその隙を魅入られ策略に堕ちてしまいました。アナキンはパドメを守るために大きな選択をしたはずなのに、そんな彼の激しい感情が彼女の生きるチカラを失わせる結果となってしまいました。それが本当に悲劇。大きな感情、大切な気持ち、誰よりも愛するということに敏感だったアナキン。誰よりも愛を求めていた彼。だけど、その想いの深さゆえに彼はもっともっと愛を、そしてチカラを求めてしまいました。そんなもの、この世界にはないのにね。『ある』という幻想に見出されてしまい、結局パドメとの愛も疑うことになってしまいました。強大すぎるチカラはその人をも飲み込むものなんですよね。いつの時代でも。
アナキンとオビ=ワンとの一騎打ちシーンが最大の山場。火山という迫力のある背景の中で、師弟の闘いは激化します。見ていて、すごく辛くなりました。アナキンを見ていて、なんだか漠然と、彼は愛を求めていると思ったのです。オビ=ワンに対しても彼は愛を求めている気がしました。それも切ないほど純粋に求めているような気がしました。二人のライトセーバーがぶつかるたびにそれを感じました。闘うという最悪の形でしか、もう心を通い合わせることができなくなった二人。ラストは壮絶に燃え上がり、それでも憎しみという感情だけを露わにして生き抜いたダースベイダーの姿に、少しぞっとしました。彼を生に留まらせたものがなんだったのか、パドメへの気持ちもあったのかもしれませんが、私にはそれ以上に憎しみが感じられました。オビ=ワンがアナキンに語りかけるシーンは、オビ=ワンの憤りと愛情を感じました。そして同じくらい彼の背負っているジェダイとしての生き方も感じました。オビ=ワンは時としてとても冷たい対応を取るときがあります。任務を優先して切り捨てていくものもあるし、情に流されず切り捨てる強さも持っています。それがジェダイなのだと思います。善に仕えるといっても、すべての人に博愛というわけではなく、大きな目的のために辛い選択をすることもある。もがいているアナキンに背を向けたオビ=ワン。その辛さ、そして助けなかったということが彼の強さでしょう。そういう重さを背負って生きていくのがジェダイなのかなと。
もう1つの闘いは、シディアスとヨーダ様(マスター・ヨーダだけは個人的に様付け)の闘いです。今回もヨーダ様はかっこよかったです。最高のジェダイだと思います。ヨーダ様を見るとスターウォーズだなぁと思うくらい、顔といってもいいキャラクターだと思うのです。ヨーダ様はその身長に合わせて短めのライトセーバーをお使いなのですが、ヨーダ様の機敏な動きに合わせて、くるくると目まぐるしく回転するセーバーの動きはもう芸術品という感じです。いつも思うのですが、どうしてもヨーダ様の頭部に見られるふさふさとした白っぽい毛を触りたくて仕方なくなります。なんだかとっても気持ち良さそうです。あと個人的に印象的だったのは、ジェダイ騎士が次々に殺されていくシーン。これまで仲間として行動していた人間に殺される。その無念さと儚さに見ていられなくなりました。ジェダイの騎士だからこそ、もっと尊く任務のために生きてほしかった。それがあんな無残な姿でこの世からいなくなったということが悲しかったし、どうしようもなくてまるでヨーダ様のように苦痛だけを感じてしまいました。
ラスト。次々に移り変わるシーンで次のエピソードへの複線がじゃかじゃか引かれていきました。ルークとレイアの行く末。ダースベイダーがあの『ズーホー』という息をしたときに、あぁ、これがダースベイダーだと思いましたよ。記憶の中の彼と繋がったと。あとは個人的にチューバッカが出てきたのがうれしかった。好きなんですよね。チューバッカ。エピソード4〜も見直してみたい気持ちになってきました。ソロ船長かっこいいんだよなぁ。