◆バベルの塔展。

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 大阪でのバベルの塔展にいってきました。入場列が並んでいるわけではありませんでしたが、さすがに休日ということもあって、会場内はかなりの人がいました。ゆっくりと絵画や彫刻を独り占め…なんてことは、都市部ではできないことですよね。肩越しにみたものとか、じっくり見れないものも多かったですが、展示の充実ぶりはすごかったので、満足感でいっぱいです。
 ネーデルランド(オランダ)の彫刻や宗教画から始まって、その宗教画の画題はそのままに、表現方法を奇抜で人気のあるものに替えた作品。そして、風景画など人々のくらしをとらえたものにという流れでした。バベルの塔の主題は、宗教的なものもありますが、そこに描かれているのは、ピーテル・ブリューゲルが生きていたその時代の農村風景だということで、その両方がわかるような展示構成になっていました。バベルの塔のホンモノは小さいと知っていましたが、それでも思ったより小さくて、最前列でみるために少し並んだりもしましたが、近くでみても小さいなという印象でした。その分、全体としての雰囲気、異様な赤色で目立つようになっていたりとか、人間との対比で大きさを出していたりとか、そういう全体を楽しむ作品なのかなという感想です。私がパズルで作った、もう一つのバベルの塔の作品だったら、もっといろいろ灌漑がでてくるのですが、同じ主題の絵画違いなので、あまり想い出を湧き上がらせることはなかったです。そんなものですね。
 ヒエロニムス・ボス風の版画がたくさんあったのですが、それが本当に面白くて、今でも目新しくて、当時の大衆をとりこにしたものって、何年経ったあとでもやっぱり面白いなと思えてしまうというか、すごく人間の生活やサガなんて変わらないんだなというか、切り取り方や魅せ方が斬新でどきどきしました。個人的にこの時代のエッジングによる版画がすごく好きで、今回もその版画を一番楽しんでしまいました。こういうふうに、バベルの塔目当てで来た展示で、別の面白いものを発見できるっていうのが、いいところですよね。ただ、残念なのは、あんまり近づいてみられないこと。防犯上とかの理由でバリケードされているのはわかっているので、仕方ないとは思うのですが、もっと細かいところまでじっくりみたいなぁって思ってしまいました。
 生活があるからこそ絵画がある…。そんなことを感じさせてくれた展示でした。