◆変身。

 神木隆之介さん出演作品をどんどん見ているところ。WOWWOWで放送されていた5回連続ドラマを見ました。さすがにWOWWOWには加入していなかったので、リアルタイムでは見れなかった。ちゃんとこうして後からでもいいので、映像として見れるのはありがたいことです。
 恋人へのクリスマスプレゼントの指輪を買いにいった宝石店で、強盗に頭を打たれた主人公、成瀬純一が、脳移植を受け、どんどん人格が変わっていってしまうというストーリー。映像も意図的にクリアではなくて、ざらついた感じを出していたので、妙にリアリティがあるというか、生活感があるというか、ストーリーとしてはとんでもない非日常感があるにもかかわらず、等身大ぶりが発揮されていました。
 特に最終話での成瀬とメグの出会いから仲良くなるまでの回想があまりにも自然すぎて、それまでの異常さがようやくわかるというような感じでした。徐々に自分が変わっていく主人公を神木さんがうまく演じていました。残虐性が突如現れ、次の瞬間には泣き出しそうな顔になる、そして、安らぎを得る表情も、最後の笑顔もとても魅力的でした。こんなふうにこの年代を自然に演じられる人って、本当に少ないんじゃないかと思います。神木さんのキスシーンもあったのですが、なんとなくぎこちない感じが逆にリアルに感じてしまいました。
 5話を通して、メグのそばかすが印象的に描かれていて、1話から「すばかすがなかったらいいのに」なんて言って冷たい人になってしまった成瀬が、最後の最後で完成した絵にそばかすを描き入れていて、それをあたたかく見ることができるようになっていたのは、自分でもびっくりでした。 「影があるけれど、誠実(もしくは純真)」という役柄は神木さんの鉄板ですね。まだみていない作品でどんな役を演じているのか、楽しみになってきました。