◆北斎のパース。

 葛飾北斎の浮世をみる機会があったので、お休みの日に行ってきました。
 葛飾北斎といえば、私にとっては、永谷園さんの「お茶づけ海苔」に一枚ずつ入っている「東西名画選カード」で初めてみたのだと思います。子供ながらにその構図の斬新さにどきどきして、お茶漬けの袋を開けることがとても楽しみでした。応募すると抽選で当たるセットにも、葛飾北斎で応募して実は2セット持っています(笑) こんど探して、ブログに載せますね。
 今回じっくり見せていただきましたが、ほんとに構図がすごいとしかいいようがない。パースのとりかたも精確だし、遠近感がはっきりわかる。現在、こんなにイラストや漫画が溢れている時代であっても、あんなに精確なパースで描かれているものはめったにお目にかかれません。「木曾海道小野ノ瀑布」なんて滝が直角に落ちる構図。迫力ありすぎです。
 今回初めてみてびっくりしたのは「妖怪残酷絵」です。特に「三国妖狐伝」が素晴らしい。妲己が描かれているのですが、画面いっぱいに色使いが多彩で迫力ある登場人物、どきどきしっぱなしです。これだけあとでもう一度見に行ってしまいました。「百物語」の妖怪も素敵です「さらやしき」なんて首が皿になってるし!
 たくさん素敵な作品がありましたが、一番印象に残ったのは、日本人なら一度はみたことがある「富嶽三十六景、凱風快晴(赤富士)」の青刷りバージョン。これが同じ構図なのに、まったく印象が違っていて、ものすごく凛とした神々しさを感じる作品になっていました。こんなのがあるって知らなかったなぁ。
 ひさびさにどきどきするいい展示会でした。