◆二人だけの世界。

 堂本剛さん出演の「プラトニック」第6話。
 今回は意外に普通だったかなぁ。2人が幸せそうだから、私も心を揺さぶられることがなかったのかもしれない。感情の大きな起伏があったのが1回だけで、あとはとても安らぎと安定に満ちていた。
 まさか、母親がこのタイミングでドナーが青年だと告げるとは思ってもみなくて、「突然どうしたの?」って感じだった。それが、母親が女性としての生き方を選んだことで、娘も女性なんだと認めることができて、だからこそ、母親が「青年を愛している」という気持ちを、娘にもわかってほしかったのだとしたら、あまりにも典型的に女性らし過ぎてびっくりする。たぶんだけれど、移植が成功した場合、青年の心臓を持った娘を、きっと、母親は青年として見てしまうときがあるのだと思う。そのことをも、娘にも伝えたいと思ったのではないか。今以上に愛おしさに溢れるその気持ちを。
 本当に愛していれば、首を絞めても抵抗しない。だから、青年は母親の首を絞めた。驚くだけで抵抗しない彼女を彼は抱きしめて、また、心の平穏を取り戻した。あんなに無理をしてまで、青年を元カノに会わせた理由は、世界にはたった2人しかいないのだと、強く、強く、印象づけるためだったとしたら、あまりにも残酷ではないのか。このあたりは、母親が、女性として青年には自分しかいないのだと、強く戒め、束縛するようで、怖く思えた。この人はときどき、あまりに怖い。
 今回、一番きゅんとしたのは、元職場を訪問したあとで「行きましょ。もっとドキドキする場所へ」「本気ですか?」「ここまで来たんだから」「…。ですよね」の会話の「ですよね」の前のタメで視線を彷徨わせるあたり! なんという絶妙の間。そして、なんとも言えない表情。かわいらしさと戸惑いと男らしさも混じっている、青年だからこその感情表現。
 次回はなんと青年の脳腫瘍が治ってきているという、とんでもない展開に。え?!そっちにいきました?! 死が待っているからこその、「心の結びつき」というセオリーどおりの展開にはならない?!