スペインGP。

 スペインのレースはアロンソに対する歓声がいつもものすごくて、とてもいいレースだと思える。今回は、アロンソが優勝したこともあり、最終ラップではどのスタンドからもアロンソに対する歓声があがっていた。マシンのエンジン音よりも大きな歓声というのは、ものすごいことなんじゃないだろうか。そして、レース後にアロンソの優勝をたたえる国王からの電話が入るというのも、かなりすごいこと。このレースはアロンソに対するスペインの熱さでできていたような気がする。
 ニコ・ロズベルグポールポジション! といっても、あまり喜んでいられないのが決勝のメルセデス。はじまる前から早めにメルセデスの2台を抜かないとロスになると、解説されるような悲しさ。それでも、第1スティントを1位のままで走りきったニコはすごかったと思う。マシンがあまり良くないのはわかっていたから、それからフェラーリレッドブルに抜かれていったのは、あまり衝撃ではなかった。タイヤをきちんとケアすることができて、3ピットで乗り切り、最後はディレスタの猛追を振り切って5位に入れたのはよかったのだと思う。タイヤのケアがきちんとできたというのは少し良いニュースだろう。でも、上位チームとの差が開いていってしまっているのは悲しいこと。決勝レースで戦闘力があるところを見せてほしいものだ。最後10周からはマシンの挙動もスムーズだったように思う。猛追されていてもマシンがすんなり動いていたから、守りきれるという気がしていた。少しずつでもポイントを重ねて、もう少し上にいってほしいものだ。
 ハミルトンはかなり苦しいレースだった。あんなふうにずるずる下がっていくハミルトンを見たことがなかったし、彼にとって忘れたいレースの一つになってしまったんじゃないだろうか。フロントロースタートだったことを考えると結果はかなり残酷なものになってしまった。
 次はモナコ! 抜けないコースなので、予選で前をとればそれなりに上位に行くことも期待できてしまう。予選だけ早いメルセデスにもチャンスになるかもしれない。…そういう勝ち方しかできないのは、悲しいことなんだけど、それでもとにかく勝ってほしい。