2012世界選手権。

 浅田真央さんの笑顔が見たいと、心からそう思いました。
 フランス入りしてから3Aの調子が上がっていないという報道が出ていて、それでも本番に3Aに挑戦してきたこと、彼女の3Aに対する想いは私が感じていたもの以上でした。どんなに調子が悪いときでも、3Fや3Loを決めていた真央さんが今回の演技で、するりと抜けるようにそのジャンプの軸がほどけてしまって、なにかすべての旋律がばらばらになっていくような、そんな気持ちにさえもなりました。
 本当に真央さんのスケーティングは滑らかだったので、音をたてずになにかがこぼれていってしまったようでした。きっとなにかが足りないわけでもなく、なにが悪いわけでもなく、本当に小さなバランスのカケラが失われてしまって、今になってしまったのだろうと思っています。
 できることならば、美しいあの『愛の夢』の旋律で、真央さんが納得できる笑顔がみたかった。もう一度、その機会が巡ってくることを願うばかりです。
 やっぱり、私は浅田真央さんが好き。それだけをまた今日も深く思っていました。