世界選手権男子フリー。

 崇ちゃんの演技、泣いてしまった。日本はまだまだがんばれるんだって、はっきりと思った。
 パトリック・チャンの快進撃続く。4Tを2回しっかり決めてきて、最後まで滑りきる体力もあって、彼は本当に昨年までの彼と同じ人なのだろうかと思うくらいの演技だった。ただ、すごいことはすごいのだが、なにかもう一つ伝わってくるものが足りない気がする。
 織田信成さん。またもやザヤックルール…。これで何度目なんだろうと思うと本当に悲しい。演技の出来としては表彰台が間違いなかっただけに本当に悲しい。最後は疲れていたけれど、気迫の演技だった。
 高橋大輔さん。まさかのビス抜け。ケガでなくてよかった。気持ちを持ち直すのは難しかったと思うけれど、滑りきった表情が明るくてよかった。そして、この大会で引退しないでと本当に思った。
 そして、小塚崇彦さん。日本選手の流れの中で、もうメダルは無理なのかなと思っていた。けれど、最初の滑り出しから、今日のコヅはやってくれると思わせた。最初の4回転が決まって、次の3Aが決まったときに、本当にすごい演技になると確信した。美しいジャンプ、流れるようなスケーティング。スピンの速さも完璧で、これ以上ないくらいの演技だった。あぁ、本当に、あきらめないでいれば、いつだって、また、夢をつかむことができるのだと思った。途中で涙が出た。最後までみなくてはとそのまま涙目で見ていた。本当におめでとう。そのシルバーメダルは本当に日本にとってかけがえのないものになる。