オーストラリアGP 決勝。

 バーレーンオーバーテイクがあまり見られないレースとうって変わって、随所でバトルが見られた今回。今後もこれくらいバトルが見られるレースになることを願うばかりです。
 小雨でスタート。いきなりアロンソのスタートが悪く、その上ターン1でのスピン。ミハエルと接触してミハエルは緊急ピットイン。小林と他2台が接触してリタイヤ。ということで、いきなりのSC。リスタート後、どんどん乾いてくる路面。でも、まだウェットなんじゃないかなぁと思うようなところで、ジェンソン・バトンがピットインしてドライタイヤに履き替え。この戦略はHonda時代はよくカケのような感じでやっていたけれど、マクラーレンに入っても、しかもワールドチャンプでこういう戦略をとるとは思っていませんでした。最初の一周はコースオフもありましたが、最速タイムを叩きだして、結果的にはこの判断が彼に優勝をもたらしました。次の周回でどんどん入ってくるマシン。ほとんどのマシンがドライタイヤに。レッドブルはこの時点ではまだ雨を予想していたのか、履き替えなしで、もう1周後に入りました。
 このあとはいまいちペースの上がらないマッサとウェーバー、ハミルトンとの攻防が激しく。抜いて抜かれて、でも結局マッサというような感じ。ハミルトンのマシンは調子がよかったのか、本当にいろんなバトルを仕掛けていました。そんなときに、突然トップのベッテルがストップ。ブレーキトラブルだということですが、本当にいいペースで走り続けていて、2位のバトンを引き離している状況だったので、驚きでした。ベッテル、また運がないです。
 この後の走行はタイヤの消耗が鍵に。リアが辛くなっているマシンが出てきて、シューマッハがピットインしてタイヤを履き替え、タイムを伸ばすと、ロズベルク、ハミルトン、ウェーバーも履き替え。しかし、フェラーリの2台やクビサ、バトンという上位は履き替えなし。ここでハミルトンが猛烈な勢いで上位に迫り、マッサに追い付いたのですが、バトルの末にウェーバーとハミルトンが接触して順位を落とすことに。漁夫の利でロズベルク。ということで、運も味方したバトンが優勝。
 ジェシカさんの姿が映っていましたが、ジェシカさんがいるときのバトンは本当に運があるなぁと思います。本当に堅実に走り続けたレースは昨年の優勝しつづけていたときを思い起こさせました。今回のポイントとしてタイヤを履き替えたマシンと履き替えなかったマシンというところが上げられると思います。これからのレースでもこういうことはあるわけで、今回は結果として履き替えずに走り続けたマシンが勝ったわけなのですが、逆のパターンも考えられます。ハミルトンは履き替えてからは本当に速かったわけですし、そういう戦略の違いからのバトルもこれからも見られるのではないかなぁと思っています。
 メルセデスはまたトップには立てない状況のようです。ロズベルクがしっかりと走っていましたが、ハミルトンやウェーバーについていけなかったところを見ると、まだ差があるのかなと思いました。今回のレースでびっくりなのはクビサ。スタートでいい位置に出てそれからはしっかりポジションを守りました。雨のレースだったこともあるのか、最後まで走りきったメンバーはベテラン揃い。新人には厳しいレースになったようです。