ハンガリーGP決勝。

 前日の予選で衝撃的なことが2つもありました。1つはマッサの事故。タイヤバリケードに衝突した原因が、バリチェロのマシンから飛んだ800グラムのバネがヘルメットに衝突したためと聞き、びっくりしました。あの速度で走っているので、物体が持っているエネルギー量もとんでもないものでしょう。マッサの回復とサーキットでの走りが見られることを望んでいます。もう一つはまったくタイムが表示されなかったこと。タイミング装置の故障で、最後の最後のラップタイムがまったく出てこなくて、予選の楽しいところが全部飛んでしまいました。アロンソがトップタイムだったのですが、それでさえ、廻りのドライバーにタイムを聞き回っている状態。タイムのでない予選は、本当につまらないものでした。
 決勝。今回もスタートでのKERSが効いたレースだったと思います。抜きどころの少ないコースなので、スタートはかなり重要。やっぱりKERS搭載車は走り出しが違っていました。ハミルトンとライコネンがするすると前に上がっていきました。ベッテルはハードタイヤチョイスもあって、動きだしが悪くかなり後方に沈みました。アロンソが逃げ、ウェーバー、ハミルトン、ライコネンの順。バトンは9番手。2週目で中嶋を抜いて前に出たのはさすがでした。これが後でポイントの面において、かなり大きなアドバンテージになったと思います。ウェーバーを抜いたハミルトンがいいペース。ウェーバーはタイヤいたわり作戦なのか、レースペースは控えめ。
 3ストップ作戦のアロンソが11周目にピットイン。6秒で出ていったものの、最初の1周目で異変。なんとタイヤホイールがきちんとしまっていなかったとのこと。ホイールも落ち、タイヤも落ちて、ピットインを余儀なくされ、そのあとリタイヤにもなりました。おまけに次のヨーロッパGPの出場停止まで。かなり痛いミスになりました。ロリポップの誤りなんですけど、3ストップ作戦ではクルーの出際の良さが勝敗を分けます。かなり攻めた作戦に出たアロンソが楽しみだったのですが、早々にいなくなってしまいました。
 次々にピットインしていきましたが、ウェーバーのピット作業にミスがあり、あわや衝突のリリース。ライコネンウェーバーの前にでました。そのあとベッテルのマシンが急にスピードを落とし、なんだか挙動不審。ピットに入ってタイヤやフロントを交換したものの状態がよくならず、リタイヤ。次のストップではライコネンのギアが入らないということもあって、レッドブルフェラーリともすんなりとしたピットではありませんでした。そのまま上位は変わらず、ハミルトン、ライコネン、ウェバーの順でフィニッシュ。
 バトンは8番手走行を続けていて、ぎりぎりポイント圏内。ベッテルがいないこのチャンスに差を広げたいところですが、そううまくはいきません。第2スティントは燃料を多く積んだ作戦でしたが、アンダーステアがかなりひどかったらしく、ペースあがらず。最後のピットで中嶋との争いになりましたが、バトンがハードタイヤに履き替えたらものすごいタイムを出したために、余裕でポジションキープ。そのまま攻めて、トゥルーリよりも前になって7位フィニッシュでした。2ポイントだけど、確実にポイントを稼ぐことが今のバトンには必要なことです。あまり気温が上がらなかったことや、マシンバランスが見付けられなかったことなど、ブラウンには苦しいグランプリでした。とりあえず、ポイント獲得できたのでよかった。アップデートもしたはずですが、やっぱりレッドブルの方が戦力があるように思えます。気温が上がらないと苦しいですね。次のヨーロッパどうなんでしょう。晴れてほしいです。
 今回のレースではマクラーレンフェラーリ、ウィリアムズの調子が上がってきたように思えました。このあとの後半戦はかなり混戦になりそうです。F1は夏休みのためちょっとおやすみです。マッサの回復を願っています。