イギリスGP決勝。

 女神様はジェンソン・バトンには微笑んでくれなかったようです。今年で一旦、区切りとなるシルバーストーンでのF1開催。その意味でも、このGPにかける想いはものすごいものがあったと思うのですが、結果は温度が上がらず、順位も上がらず…。レース中だというのに、タイヤを温めるために、蛇行して走行するほどだったので、ほんとタイヤが思ったようには動いてなかったのでしょう。
 予選からレッドブルの2台はずば抜けて速くて、それを見ていたらこのレースは決まったなと思えるくらいでした。ベッテルの予選後の燃料搭載量を見て、仰天。そんなにたくさん入れていて、あのタイム! もう、どう考えてもポール・トゥ・ウィンだと思えましたし、実際、ベッテルはものすごいスピードをレース中にも見せてくれました。
 バリチェロが予選で2番手につけて、決勝でも苦しみながらも3番手でチェッカーを受けたのはさすがでした。このコース、ものすごく得意なんですね。2回目のピットでウェバーに先行されてしまってからは、前を追うよりは後続が気になる展開になってしまって残念でした。レース後のコメントも「バトンとの差が詰められた」という言葉で終わっていたのがものすごく印象的でした。
 順位関係なく、ハミルトンとアロンソのバトルはみていてどきどきしました。ここまでアグレッシブに走ってくれると、ほんとわくわくします。レースの最初の数周はいろんなところで、抜いたり抜かれたりが繰り広げられていて、面白かった。後半は抜きにくいサーキットなので、それほどバトルはありませんでした。まぁ、ハミルトンのドーナツターンはダメだとは思いますけど、たとえサービスでも禁止は禁止ですから。
 寒いレースは圧倒的にレッドブル優勢だなと思いました。ブラウンの第2スティントハードタイヤ選択がよかったのかわかりませんが、それがなくてもレッドブルの前に出るのは難しいことだったと思います。ただ、このままレッドブルなのかというと、温度が上がればやっぱりまだブラウンという気もするので、ここ数戦がどうなっていくのかを見守りたいと思います。
 そして、サーキット場外でも分裂の話が…。F1の政治的な側面はわかりにくいので、敬遠していたのですが、今回はちゃんと推移を見守ってます。ファンあってのF1だと思うので、わくわくするようなレースであってほしい。それだけです。