トルコGP決勝。

 予選からレッドブルとブラウンの一騎打ちという様相を見せていたトルコ。ベッテルがポールを取りましたが予想どおりかなり軽い燃料搭載量だったので、バトン有利と思われました。バトンの最大のライバルはチームメイトバリチェロ。奇数列だしスタートでバトンを抜くという可能性もあるように思いました。
 しかし、実際のスタートはバリチェロが大きく出遅れて、かなり後方に。クラッチの問題だったようなのですが、すごく予選までがよかっただけにびっくりしました。そのあともマシンは速いのだけれど、コバライネンのKERに抑えられてなかなか前に出ることができず、どんどん遅れていってしまいました。スピンやマシンの接触もあり、終盤ではチームメイトのバトンに周回遅れになりそうなところまでいっていたので、スタートはものすごく重要だし、失敗するとブラウンのマシンであっても、ポジションを取り戻すことは難しいのだなと思いました。リタイヤしたのは、次のレースのためだったとは思いますが、残念です。
 ベッテルが逃げるかと思われたレースでしたが、1週目のターン10でベッテルがミスしたためにバトンがトップに立ちました。それがすべてだったと思います。ベッテルの3ピット作戦は若いドライバーのチャレンジ的な作戦で、その選択はよかったとは思うのですが、第2スティントの最初でバトンに抑えられてしまったことが大きく響いて、ウェーバーに抜かれてしまうことになりました。でも、挑戦的な走りをみせてくれたベッテルはこれから伸びる存在だと思います。
 バトンは本当に危なげないレース展開で、ラストにはエンジンいたわりな走りをみせるほどの余裕ぶりでした。チェッカーを受ける前のストレートなんて蛇行して走っているほどでしたし。今回ほど安心して見ていられるレースはなかったと思います。それくらいマシンもよかったし、バトンもトルコのサーキットに合っていたのだと思います。
 トルコは抜きどころのあるサーキットなので、バトルが見られることが一番の楽しみだったのですが、今回はそれほどバトルにならずに残念でした。ジェンソン・バトンは7戦6勝の独走態勢。これほどまでにブラウン−バトンが強いとは正直思っていませんでしたが、こうなったらどんどんいってしまってほしいです。特に次はシルバーストーンだし、バトンは一番気合いが入っていると思います。個人的にはバリチェロにこのあたりでツキが廻ってきてほしいなぁと思っていたりもします。