my beautiful sky TOUR。

 剛紫さんの美我空ツアー、大阪城ホールに行ってきました。開演19時だったのですが、席に着いたのは19:06…。開演ぎりぎりでした。この間、何があったかは明日の日記で書きます。以下、ネタバレありです。
 ステージや演出、衣装、すべて、白と黒で統一されていました。すべてステージ上で演奏され、移動もありません。正面には大きなビジョンが3つありましたが、モノクロビジョンになっているので、色が排除されていました。見える色というと、剛さんの肌の色とギターの色くらいだったように思います。
 演出として照明が抑えられているので、音に集中することができました。なんの曲だったか、ぱぁっと光が客席の方まで伸びてきて、そのときに、あぁ、ここは大阪城ホールだったのかと思ったくらいで、それまではとても深くて静かな自分の心の空間にいるような雰囲気でした。私の席はアリーナ後方だったため、剛紫さんの表情や動きはすべてビジョンでしか確認できませんでしたが、双眼鏡を使って、「見る」というステージではなくて、「感じる」ステージだったように思うので、あまり気になりませんでした。私の前の席の方が座ってくださると視界が開けて、そのときだけステージ上の剛さんの姿を拝見できました。
 前半は剛紫さんがいろいろな楽器を弾かれていました。ベース、ピアノ、ドラム、ギター。バンド編成の楽器の中では私はベースの音が一番好きなのですが、剛紫さんのベース始まりの音は直接、身体に響いてくるような音でした。低音なのでずぅーんとおなかに響くというか、音の波で後ろに押されるような感覚がありました。ドラムはただ単純にかっこよかった。リズムを刻む姿が野性的な感じを受けました。たぶん、二の腕のせい(笑) 二の腕の筋肉がぷくっとしてるとそれだけでなんとなく男の人なんだなぁと思ってしまうのです。
 中盤のピアノと歌声で構成されていた「綴る」と「歴史」では、感覚さえも遠のきそうに思えました。なんだろう、時間とかそういう感覚がぼやけてしまって、どこにいるのかわからないというか、夢か現実かといった境界のようなそんなところにいました。
 後半はファンクに。音にのっかかっているのが楽しくて、自然に音を刻んでいました。ボーカルだけのラストとか、あまりにその声が熱とエネルギーを持っていて、それが「生きる」意外にどういう言葉で現したらいいのか、私にはわかりませんでした。ただ、その声を聞いているだけで、そこにいる価値があるようなそんな時間でした。
 今回はシンプルで率直なステージなんだろうとCDを聞いたときに思いましたが、私が思っている以上に直接的で本質的な感じがしました。「愛」という言葉ひとつでも、エンドリさんのときと同じものなんだけど、すごく自然で、だけど、ものすごく荘厳なそんな感じなんです。感覚の距離感としては「遠くて」絶対に触れられないのだけれど、なぜか、心の中では近いような感じがして、時間や空間を含めたゆっくりとした水の中で呼吸して、眠っているようなそういう遡りのまどろみがありました。単純に音を聞いているのが心地よくて、そうやって浸っているのがうれしくて、いままでに思ったことがない感情が私の中にありました。音を聞いているのに、想いはいろんな方向に拡がっていって、あの時間の中でものすごくいろんなことを思いました。直近にあったこと、自分の心の奥にある欲求、願い、希望。自分の心の空間をただひたすらに飛んでいって、意外に広いのだと思っていました。それが、剛紫さんの言われている「空」なのか私にはわからなかったのですが、「空」というのは、この青い空だけではなくて、自分の心の中に拡がっているこの「空間」のことだとすると、私はあの音とともに、たしかに自分の「空間」をそこに描いていたように思うのです。帰り道、静かに満たされていく感覚を覚えました。難しく思わなくても、音って本当に心地よいものなんだと実感した3時間でした。